茨城県大洗町清水商店「釜ゆでいか」

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 岐阜県、長野県の山間部などに「煮いか」という郷土食がある。郷土食というのは正確ではないかもしれない。なぜならば日本海側の町などから越中鰤のように山越えしてもたらされるもの。その昔はとれたてのスルメイカを浜で茹でて、一晩くらいかけてきたものだろう。裕福な家では鰤を、そうでなければ「煮いか」で正月を迎えたのだともいう。これを適当に切り分け、生姜醤油で食べるのである。

 この茹でたスルメイカ、ヤリイカ、もしくは輸入イカなどは日本海側だけでなく、常磐、東北などでも作られている。当然、生のイカよりも味の劣化が遅く、保存性もいい。それで浜茹でしたのだろうから、イカがとれるところならどこでも作られていたのだろう。また日本海側では「“煮”いか」であるけれど太平洋側では「“茹で”いか」という呼び名にも「煮る」という言葉の地域による意味合いの違いを感じるのだ。

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 今回の「釜ゆでいか」というのは茨城県大洗町、清水商店のもの。酸化防止剤、pH調整材などが入っているものの、味付けは食塩だけ。青森から持ってきたスルメイカを茹でただけというのがいい。身はぷるんと柔らかい。そのまま生姜醤油でもいいし、酢の物、炒め物に使ってもなかなかうまいものであった。

 さて、このイカを茹でるという加工法を持っている地域はどのあたりなんだろう。意外に日本全国で行われている気もするのだけれど、確信が持てない。これも今年の課題である。

清水商店  茨城県東茨城郡大洗町磯浜町6881-72


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このページは、管理人が2007年2月12日 10:39に書いたブログ記事です。

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