ギンザメ目にアカギンザメのページを作成
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アナゴ科に ミナミアナゴのページを作成
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掲載種 1893
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掲載種 1893
戸田沼津の旅の「ありがとう」の二つ目。
朝ご飯がうまいので、急に元気が出てきた。不思議なことに揺れる船の上を軽やかに動けるようになった。だから網上げとともに選別の手伝いだってできる。船室へ、胴へ、また艫(船の後ろ側)へと船員の佐藤さん達とともに素早く、そして頻繁に行き来する。そして太陽は頭上にある。「もう昼時かな」なんて期待していると佐藤吉信さんが船室に消えるのだ。
それにのこのこついていって船室をのぞくと、驚いたことにもう鍋が吹いている。そして甘辛い香りがぷーーーーんと来た。
「煮つけですよね」
「そうだ。朝はみそ汁、昼は煮つけということだら」
不覚にも腹の虫がぎゅううううう、と長い鳴き声を上げる。
そしてこの間に4回目の網揚げが行われる。佐藤さんはガス台の火をとめて、艫に走る。早く昼ご飯が食べたいのでボクもせっせと働くのだ。
そして待ちに待った昼ご飯。
出てきたのは朝ご飯と同じスタイル。
「毎日、おんなじでも全然あきない。どうしてかって言うととれたてのカサゴだら、それをいきなり鍋に放り込む。これはね陸に上がって同じように作っても、まずいね」
佐藤正次さんがいきなり赤えび(ツノナガチヒロエビ)の頭にかぶりついている。ちゅうちゅう吸っているのは濃厚なミソである。身はほろほろと甘く、そこに濃厚なミソの味わい。これが白いご飯にもあうから面白い。
「ミソがねうまいだら」
ツノナガチヒロエビの煮つけがこれほどうまいものだとは思わなかった。どうしても生に近い霜降りなどで食べていたのが、どうやら失敗であったようだ。戸田でも煮つけがいちばんよく作られるという。
白いご飯に煮汁をかけ回して、最後の一粒まで食い尽くす。
満足至極でポカポカと暖かい胴の間でぼんやりしていると、残った煮つけに熱湯をそそいで佐藤吉信さんが持ってきてくれる。船足が速くなって5回目の網上げが始まっている。
「まあゆっきり飲んでいていい」
吉信さんが目尻にシワを寄せて笑うのに甘えて、じっくりカサゴやエビの滋味を堪能した。
滋愛荘 静岡県沼津市戸田270-3 電話0558-94-2643
駿河湾での海の幸にいろどりを添えているのが底引き網の魚貝類だろう。伊豆半島の磯、また南西に向かって黒潮を受ける形なので温熱帯の魚が揚がるとはいうものの「駿河湾ならでは」とまではいかない。
その底引き網漁に乗船してきた。ところは駿河湾でのトロール最大の基地(といっても寂しい観光地ではあるが)である戸田村。
戸田は伊豆の中心、大仁、修善寺からも、そして沼津からも山道海沿いの道を一時間ほどもクルマを走らせないと行き着けない。そこは夏こそ海水浴客で賑わうが、他の季節はめぼしいものといったら細々と湧く温泉と、駿河湾の深海魚だけなのである。だから町中、「駿河湾の深海魚」、そして中でも主役であるタカアシガニのカンバンが散見する。
戸田港の午前4時。これは底引き網では遅い出船である。乗組員の方達との挨拶もそこそこに慌ただしく乗り組む。戸田の岬を離れて船室に入ると迎えてくれたのが佐藤正次さんと、佐藤吉信さん。ついでに船長の名が佐藤滋記さんであって、皆兄弟なのかというと、あらず、戸田は佐藤さんだらけなのだという。
船室の佐藤さんたちはまことに親切である。宇久須までの1時間足らずをカツオ漁のこと、底引き網漁のことなどを聞きながら、まったく退屈することなく過ごせた。
宇久須沖に着いたときには夜が明けていた。佐藤正次さんが「伊豆では日の出が見らねーだら。その分、夕焼けがきれいだらが」といったのが目の前にある。まだ太陽は伊豆半島の向こう側にあるのだ。田子沖の奇岩が面白い。富士山は霞に隠れていて、風はほとんど吹いていない。
底引き網の船の特徴は左右にある大きなドラム。ここに全長1800メートルの鉛入りのロープが2巻き。艫で第一回目の網入れが始める。まずはブイを投げ込む。船を開店させながら左舷の全長1800メートルのロープを伸ばしていき、こんどは網を投げ入れる。そして右舷のロープを伸ばしていき、ブイの地点に戻る。ブイを引き上げると、ちょうど輪になってその対角線上の端と端に船と網がある。その網をゆっくり子供が歩くくらいの速度で引いていくのだ。網の口にはマンガン(海底をかくもの)があるわけでなく、鉛つきのロープの重りでなぞるように引く。
投網から引き上げまでは1時間ほど、巻き上げには20分から30分かかるので、一網1時間30分ほどである。網が上がって来てからが船の上はまるで戦場のようになる。引き上げた網を外して、もう一組の網をロープに結びつける。またブイを投げ、網を入れている間に魚貝類の選別を行うのだ。
巻き上げにはだいたい20分ほどかかる
その選別が大変である。それこそ海に生きる生物のほとんど総てが船の上にある。魚類、甲殻類、軟体類に棘皮動物、その上スーパーのレジ袋から材木まで入っている。ここからアカザエビ、ボタンエビ、ツノナガチヒロエビ、ジンケンエビ、タカアシガニ、ユメカサゴ、チゴダラ、タチモドキ、イズカサゴなどを選別していく。つるっと滑りそうになって目を落とすと無数のヌタウナギがはっていたりする。
「ダメだないちばん金になるのは手長(アカザエビ)だけんど、ほとんどいねーな。まあカサゴが多いだけ増しか」
二人とも黙々と大小、種類事に選別していく。そして選別が終わると大急ぎで船倉の氷の入った大きなバケツに仕舞い込む。
第2回目の網を投げ入れると佐藤吉信さんが船室に消える。ほどなくいい匂いが漂って来たなと思ったら朝ご飯の出来上がりだった。おかずはとれたばかりのエビとユメカサゴ(かさご)のみそ汁、漬物、ゆで卵である。これが言うに言われぬほどの美味。
第4回までの網入れで本日はどうやら不漁らしいと船長さんからため息がもれる。だいたい今期は不漁続き、その上、「今日は潮が速くなってきてる」のだという。
やっぱり多いのはかさご(ユメカサゴ)である。またタチモドキが多いのは意外だ。これは味はいいのであるが、表面の銀色がはげやすく、手に着くと白い絵の具のようにどろどろしている。また底引きの主役とも言えるアカザエビが形も数も揃っていない。その上、やっと揚がったタカアシガニが脱皮からの回復前ということで、船長の佐藤滋記さんの顔は冴えない。
午後、1時になってまた佐藤吉信さんが船室に消える。当然昼ご飯を作っているのだ。船室を覗くと、艫をにらみながら、鍋から甘辛い匂いを漂わせている。
この吉信さんの動きが早い。料理途中に船がやや速度を上げる。するとエイヤ! っと飛び出して、艫にロープ用のベアリングを突き立てる。そして巻き上げ、獲物が甲板に落とされると、すぐに網を代えてブイを投げる。また選別に戻り、そして網入れ、またまた選別。ブイを揚げて、引くための太いロープを結わえると、また選別に戻る。
選別が終わると、船室に消えて、ほどなく「昼飯できたぞ」と呼ばれる。
昼はツノナガチヒロエビ(赤えび)とユメカサゴ(かさご)の煮つけ。ツノナガチヒロエビの煮つけってこんなにうまいのか、と感動する。
いちばんお金になるのがアカザエビとボタンエビ
結局6回の網入れの獲物は少なく不漁であった。最後の網上げでの選別は戸田を帰りながら行う。右手に見える伊豆の断崖が深い緑と、若葉の明るい緑が入り交じって美しい。
戸田港には3時過ぎに帰り着く。船上での慌ただしさがウソのように岸壁は静かで閑散としている。
さて、本日底引き網で揚がったのは
魚類/マアナゴ、ユメカサゴ多数、イズカサゴ、ニギス、アオメエソ、ヨロイイタチウオ、ギス、タチモドキ、チゴダラ
エビ類/ツノナガチヒロエビ、アカザエビ、サガミアカザエビ、ボタンエビ、ヒゲナガエビ、ジンケンエビ、アカモンミノエビ、ミノエビ
カニ類/タカアシガニ
頭足類/チヒロダコ
巻き貝/スルガバイ、ヒメエゾボラモドキ
また売り物にならないのは
等足類/オオグソクムシ
その他甲殻類/ヤマトトックリウミグモ
エビ類/オキナエビ、ソコエビジャコ、センジュエビ2種、ヒメクダヒゲエビ?、ナミクダヒゲエビ(量が少ないため)、ベニガラエビ(量が少ないため)、シラエビ、シラエビの仲間
異尾類/ソーヨーアナエビ、オオコシオリエビ(量が少ないため)、チュウコシオリエビ、アカモンオキヤドカリ、オキヤドカリ
カニ類/トゲナシビワガニ、ヒラアシクモガニ、オーストンガニ、コツノキンセンモドキ、アシナガマメヘイケ
無顎類/クロヌタウナギ、ヌタウナギ
魚類/ヤマトシビレエイ、ニホンヤモリザメ、ホシザメ、アオミシマ、キホウボウ、ヒゲキホウボウ、ベニテグリ(量が少ないため)、ミドリフサアンコウ、ハナソコダラ、シオイタチウオ、シマイタチウオ、ヤセムツ、サガミソコダラ、ソロイヒゲ、スジダラ、サンゴイワシ、ミナミアナゴ、ギンアナゴ
巻き貝/ヒラセギンエビス、ギンエビス、フクレギンエビス、ニクイロヒタチオビ
二枚貝/オオキララガイ、オオシラスナガイ
頭足類/ヤワラボウズイカ、オオメダコ、メンダコ
後棘皮動物など/ウチダニチリンヒトデ、テズルモズルなど多数
駿河湾の深海の味覚を味わうなら
滋愛荘 静岡県沼津市戸田270-3 電話0558-94-2643
沼津に行くたびに必ず買って帰るのが『やいづ屋』の「あじちくわ」である。そして今回は「あじかまぼこ」にも挑戦。どちらもアジの開きでも、またアジの水揚げでも有名な沼津ならではのもの。
蒲鉾というとスケトウダラなどの白身魚のすり身で作るもの。まあ嫌みのない味わいではあるが魚を原料としているはずなのに、その旨味が感じられずもの足りない。そこに背の青い旨味のあるマアジが混ざると途端に味に深みが増す。
今回買ったのは「あじかまぼこ」だが、やはり「あじちくわ」の方がマアジの旨味が生きているように思われる。でも、これは好みの問題だろう。
他にもうまいさつま揚げや静岡ならではの黒はんぺんも人気である。面白いのは沼津魚市場冷凍部の山田さんなど「朝ご飯の前のおやつ」として「カレーボール」という、さつま揚げを毎日食べるのだという。それにつられて魚市場でもさつま揚げをつまんでみると、これも絶品である。
やいづ屋商会 静岡県沼津市下河原町63-1