2007年5月 8日アーカイブ

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焼くと脂が染み出してきて「じゅうじゅう」と音を立てる。味わいは濃厚、かつ脂が甘味を持つ

 福岡県北部に「あぶってかも」という干物がある。福岡市から取り寄せて一度だけ食べたことがあり、その美味であるのにビックリ仰天。その原料が見たところ、デバスズメとスズメダイである。以後、防波堤釣り(波止釣り)でのスズメダイは全部持ち帰る仕儀となった。

 その作り方は簡単である。ウロコを丁寧に取り、頭を落として塩にからめる。ここで小一時間待ち、塩を洗い流して干すだけだ。立て塩でもいいのだけど、塩にまぶして魚から水分がにじみ出てくる。また塩が馴染んだのを見て取れるので、塩まぶしの方が簡単に思えるのだ。

 静岡県沼津市戸田、岸壁から釣り上げたスズメダイはもの凄い量である。これを小一時間かけて水洗い。5月の風に半日干し、物憂い夕風を受けながら、ビールを飲む。
 子供も自分で釣ったものだから、珍しくうまそうに食うのに、妻が「スズメダイは骨が硬いから気をつけて食べろよ」なんて声をかけている。

「あぶってかも」は晩春の季語だろうか?

市場魚貝類図鑑のスズメダイへ
http://www.zukan-bouz.com/suzuki2/suzumedai/suzumedai.html


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

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 5月3日、原釜ではナガウバガイを探していた。選別する女性達に聞くと、
「そりゃ、“ひらっけい”じゃないか」
 この“ひらっけい”がわからない。なにしろ浜の人はすこぶる早口なのだ。
 なんども聞き直すと「ひらがい」と言っているのがわかる。
「ほっきよりひらったいずらよ、それで“ひらっけい”だ。わかんねーけ」
 なにを聞くんだろうな、このオヤジは、というような顔つきで教えてくれる。

 浜の女達が「平貝」にそっけないのは、値段が安いせいだ。底引きに、ときにまとまって入るが、あまり知られていないせいで浜値は「安いねー」と言う。

 ナガウバガイはバカガイ(青柳)に近い種である。剥いてみたら、それがよくわかる。身の色合いも貝の前後にある貝柱もバカガイと寸分違わない。違いは渋み、貝臭さのあるなしでしかない。

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 寿司職人の渡辺隆之さん曰く、
「青柳が寿司ネタとしていいのは渋みというか適度な味の個性があるため」
 だとしたら渋みも風味もほとんどないナガウバガイは存在感がないということになる。だから関東に来ても人気が出ないのだ。
 でも、それをいい方にとらえると、クセのない上品な味わいで万人向きとも言える。

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これは開いてさっと茹でたもの。作り方は青柳(バカガイ)と変わらない

 さて、原釜で2個だけあがったナガウバガイ、お願いしていただいてきた。これを剥き、青柳のように開く。たった2個なのでさっと塩水にくぐらせて、寿司ネタにする。その顛末はまた後に語るとして、やっぱり上品、かつうまいな。

 原釜に隣接する松川浦あたりにはお土産屋、飲食店、漁協運営の魚屋などがある。ときどきそこで売られているようだから、相馬に来た折にでも食べてみて欲しいものである。

市場魚貝類図鑑のナガウバガイ
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/heterodonta/bakagai/nagaubagai.html


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