原釜の底引き網に揚がる二枚貝は少なく、「平貝(ナガウバガイ)」とホタテガイの2週類だけ。ナガウバガイの話は別の機会にするとして、ここでは純天然のホタテガイのこと。
原釜の底引き網で揚がるホタテガイは1日にせいぜい数十個ていど。主に「きんき(キチジ)」やマダラなどを狙うときに混ざるものだから競り場でもまばら。でもこれがなかなか大きく見事なものばかり。
疲れ果てて、しかも便乗による原釜行きだから、あまり魚貝類を持ち帰るわけにはいかないが、ホタテを数個買い求めてきた。
天然だから貝の裏側、いつも砂地に面しているところは真っ白。しかも貝のふくらみが養殖物よりも明らかに強い。帰宅して疲れ果てていたので、ただ単に刺身とする。当然、ヒモは塩もみ。ちなみにこのヒモにある黒い点々は光を感じる器官。「眼」といっていいのか疑問を感じるが、ヒトデなど天敵に襲われたときに役立つのだろうな。
このホタテがさすがに天然物であって、身はより弾力に富み、甘味も強いように思える。疲れているときに、この貝の持つタウリンの効果が有効なんだろう。味わうに癒される気がする。
産地ではないので原釜のホタテはあまりお高いものではなく、むしろ天然なのに格安なのだ。旅に出るとこんな味の発見が楽しいものである。
市場魚貝類図鑑のホタテガイ
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/pteriomorphia/itaya/hotate.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
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福島県相馬市原釜の「平貝」はナガウバガイなのだ
福島県原釜でもホタテは揚がるんですね。
陸奥湾のホタテは春先から初夏にかけて(5〜6月)甘味が一番強いと思います。
グリコーゲンの量が一番多いのが7〜8月なので、甘味とグリコーゲンのピークは一致しないようです。
この時期の甘さはおそらく雪解け水で育った植物性プランクトンによるものです。
7月以降は動物性プランクトンに変わってしまいます。
ホタテは海水と地形で味が変わりますから、北海道各地・青森・三陸海岸・原釜のホタテもみな味は違うと思われます。
原釜のホタテを一度食べてみたいものです。
地元がいちばんでいいのではないでしょうか? 田向さん、原釜のホタテをわざわざ食べる必要はないと思います。パラ・ベツさんからのホタテも絶品ですし、陸奥湾で充分です。陸奥湾を控える青森に住む人がうらやましい!