2007年6月16日 岡山の旅02

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 今回、旅の目的のひとつであるヒラに、こんなに早く出合えるとは思ってもいなかった。その堆い発泡の脇に黄緑色のポロシャツを来ている、ちょっと格好いい男性がいて「ヒラの時期なんでしょうか?」と聞くと。

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「どこから来たたの」と問い返されて「東京から来ました」という会話の挙げ句に「1本持って行きなさい」と言って氷まで用意して持たせてくれた。この方が県水(岡山県水)の合地さんである。出会いとは本当に面白いもので合地さんにはヒラや岡山での魚のことで帰宅後もいろいろお教え頂いたし、この先、後々までお世話になりそうである。

 県水の競り場には活けものをはじめ多彩な地ものが並んでいる。この魚貝類をとりあえず総て撮影、できるだけ地元での呼び名を聞き取っていく。
 まずは魚類ではアカエイ、ハモ(スズハモであるかも)、「あなご(マアナゴ)」、ボラ、「たかのは(マツダイ)」、「びんぐし(もしくは“たもり”“ころだい”のセトダイ)」「きす(シロギス)」、「めだかがれい(メイタガレイ)」、「ぐちにべ(コイチ)」、「ねぶと(もしくは“めぶと”のテンジクダイ)」、「ままかり(サッパ)」、マダイ、「赤げた(コウライアカシタビラメか?)」、「おこぜ(オニオコゼ)」、「あまて(マコガレイ)」、「めばる(カサゴ)」、「つのぎ(ウマズラハギ)」、「ちぬ(クロダイ)」。

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岡山に来たら「ままかり(さっぱ)」を食べなーいけんだわ!

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テンジクダイを含むテンジクダイ科の小魚を好んで食べるのも岡山をはじめ瀬戸内海周辺の特徴である。「ねぶと」は細かく叩いて出汁にしたり、唐揚げで食べたり

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関東では嫌われるボラだが瀬戸内では洗いに鍋物にと大活躍するのである。冬が旬だが初夏の味わいはいかがなものだろう

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オニオコゼ、セトダイ、ヒラメ、マコガレイ、マダイ

 甲殻類では「赤足(クマエビ)」、「おうぞう(ヨシエビ)」、「がらえび(サルエビ)」、クルマエビ、イシガニ、「真がに(ガザミ)」、シャコ。

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「赤足(クマエビ)」、「真がに(ガザミ)」、それとシャコ

 軟体類では「にし(アカニシ)」、テナガダコ。

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岡山では「にし(アカニシ)」もよく見かけた

 中でも岡山らしい魚と言えばヒラ、「ままかり(サッパ)」、「ねぶと(テンジクダイ)」、マアナゴ、「真がに(ガザミ)」に、「がらえび(サルエビ)」などの小エビ類だろう。残念ながら競り場ではマナガツオとサワラという岡山を代表する魚には出合えなかった。

 県庁所在地である岡山市、岡山中央卸売市場水産棟が扱う魚貝類の7割が陸送されたものだという。ここに高知や九州、はてはノルウェーのアトランティックサーモンまで様々な荷が来る。これは、全国共通のものだ。ただし近年入荷が全国に及んでいるだろうエゾバイ科、いわゆる「つぶ」をほとんど見かけなかったのは不思議だし、ロシアなどからのズワイガニやタラバガニも見ていない。そして残る3割の地もののなんと多彩で面白いことか。もしもう一度来ることがあれば、これら地物を地元の居酒屋などでじっくりと味わいたいものだ。

 競りの開始は4時半からだという。当然、いちばんたくさん魚貝類が並ぶのも、その時間帯に違いなく、それからするとボクたちの到着は遅すぎた。それでもこれだけの収穫を得ることが出来たのは合地さんをはじめ、市場の方がとても懇切に接してくれたためだろう。これは画像を見て、当日のことをまとめ直しながら痛切に感じたことだ。岡山の市場人には感謝したい。
 さて天井が高く薄暗い競り場から人が去りつつある。次は仲卸にまわって改めて岡山の魚貝類を見ていきたい。


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コメント(3)

昨日、東京のお客様に「西の魚、特に九州に比べて東北の魚は総じて魚体が小さい」と指摘されました。
そういわれてみると段々小さなサイズが多くなっているような気がします。やはり資源不足なんでしょうか?

ぼうずコンニャクさん、先日は私のHPにご訪問&リンクありがとうございます。

写真、う〜んよく見る風景が写っています。 もう少し早くお知り合い出来ていればお会い出来たかと思うと残念です。
また、こちらに来る便がありましたら是非お会いしたいですね。
私のHPにもリンクさせてもらいました。
また覗かせてもらいます。

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田向さん、青森の魚が小さいという感じは受けません。でもヒラメは過放流ですね。安すぎます。
また桃太郎さん、これからいろいろお教え願うと思います。よろしくお願いします。

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このページは、管理人が2007年6月19日 17:05に書いたブログ記事です。

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