真夏だというのに北海道噴火湾からハタハタがやってきた。鮮度はよいと思うのだが、触ってみてハリがない。またぬめりも少ないように思えるのだ。でも安いものなので好奇心から買ってみる。
まずはムニエルにする。これは鮮度や脂ののりがイマイチのときには持ってこいの料理法である。またハタハタでは意外な料理法ながら、冬には多摩地区のフレンチのシェフの間で密かにブームとなっている。
残念ながらバターや白ワインを使っても、この時期のハタハタのムニエルはあまりうまいものではない。酢締め、これももうひとつだな。唯一うまいなと思ったのはハタハタのよしる漬け(能登地方のイワシの魚醤)を干したもの。これは脂がなくても皮下に風味があっていい味わいだ。
深夜に帰り着いて、ハタハタのよしる漬けを焼く。家族はとうに寝静まっている。日付では昨日の夕刊を読みながら、しみじみいっぱい、二はい、三ばいの酒を飲む。こんな寂しい夜に、時季はずれのハタハタというのも悪くはない。
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