オオミゾガイの旨い食べ方はなんだろうね? せっかく産地に電話をかけたのであるからと、斜里で聞いてみた。その答えが「バター焼き」である。ボクは貝の食べ方にあって「困ったときのバター焼き」という自家製慣用句を使っている。これはあまり料理をしない人が見知らぬ貝を見つけると、とりあえず「バター焼き」にするかな? と思うらしい、ということから閃いた言葉である。
この「オオミゾガイはバター焼きね」という短絡的な答えが多いのには改めて驚いた。市場でオオミゾを買っている料理人ですらそうなのである。まったくモッタイナイとしかいいようがない。
ボクと八王子の寿司屋である『市場寿司 たか』で試行錯誤、あれこれ料理していちばんというのが刺身である。刺身と言ってもまったく生ではなく「ほっきがい(ウバガイ)」やトリガイと同じように軽く湯通しする。
気をつけなければならないのが、鰓を中心にして大量の細かな砂を噛んでいるということ。だから仕込みは丁寧にするにこしたことはない。
これをワサビ醤油で食べるのであるが、その甘味と旨味、食感の良さに思わず感動してしまう。ボクなどオオミゾガイに恋をしてしまうほどに耽溺しているので、市場で見つけると思わず頬スリスリしてしまう。この光景があまりにも奇妙に見えるのかよく仲買から「コラ!」と注意されるのだ。
さて閑話休題。
ここでオオミゾガイの3つの魅力を挙げておきたい。
1/うまいこと(わかりやすい!)
2/安いこと。
3/意外に知る人ぞ知るといった存在であること。要するに通ぶることが出来るんだな。
そのうち、これだけうまいのであるからオオミゾの値段も騰がってくるかも知れない。その昔、バケツ一杯100円でも売れないと言われていたエゾイシカゲ(石垣貝)」が今やキロ当たり3000円前後もする。今の内にせっせとオオミゾガイを飽食するのが、ボクの青田買いなのである。
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ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑のオオミゾガイへ
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