沼津魚市場西浦の定置網でひろったフグは総てコモンフグだった。拾ったときには「ショウサイフグだろう」とあまりじっくり見ないでバケツに放り込んでしまったのだ。それが思わぬ拾いものだったわけで、喜び勇んで河豚刺し、河豚ちりといたしたのである。
さすがにコモンフグは、そんじょそこらの「名古屋(ショウサイフグ)」とはワケが違う。うまいのなんのって、口福感を存分に味わえた。
コモンフグは青森県以南ではありふれた魚であるが、漁獲量が多いのは西日本。関東で安いフグと言ったらショウサイフグ、マフグなのだが、それよりもボクはコモンフグの方がうまいと思っている。
河豚ちりには欠かせないのがうまいポン酢醤油である。ここに待ってましたとばかりにうまいポン酢があったのである。まさにこの日のために島根の人が持ってきてくれたように思えるから不思議だ。
製造元は島根県松江市内の米田醤油店。まだ試行錯誤の最中であると言うが、これは明らかによくできている。酸味と柚の香り、また醸造された白だしの旨味がほどよいのである。「白だしぽん酢 ゆずほの香」という雅趣あふれる商品名もいいと思う。このポン酢を使ってみて米田醤油店の他の商品も味わってみたくなった。来週にでも日本橋「しまね館」に行って探してみなければ。
彼岸前のコモンフグで、まだ旬とは言えないだろう、と期待半分の河豚ちりを仕立てた。材料はなにもなくて豆腐とネギだけの彩りに欠ける鍋。これが絶品であった。妻などははっきりと「ポン酢の美味しさのお陰ね」なんて言うが、コモンフグ君も素晴らしい旨味を持っている。
河豚ちりを食べると、早く秋らしくなって欲しいものだと思う。そして沼津にいってまたコモンフグを拾いたいものだ。
注/フグを自分で調理することはお勧めしない。食べるときには自己責任で。また商用の場合はフグ調理師免許が必要になる。
米田醤油店 島根県松江市東本町3丁目58
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、コモンフグへ
http://www.zukan-bouz.com/fygu/fugu/torafugu/komonfugu.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
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2007年9月23日の改訂記
ご無沙汰してます。
米田醤油店「白だしぽん酢 ゆずほの香」をご紹介頂いてありがとうございます。
気に入っていただけて自分のことのようにうれしいです。
ここの社長にぼうずコンニャクさんとの出会いのことを話してみます。
未確認ですが、日本橋しまね館には米田醤油店の商品はなかったように思います。でも実は島根は地醤油の一大産地ですので、他の製造元も個性的でおいしいところが多いんですよ。よろしければ試してみてくださいね。
ヤマトシジミさん、地醤油と聞いては日本橋に行かないわけにはなりませんね。今回の頂き物は発見が多くて楽しいです。
ありがとうございました。