先週の土日は一人っきりだった。家族はてんでに外出して、静かな静かな休日となった。そんなお父さんの真の休日には、こんな酒の肴がいちばんという刺身を作った。これがいかにも平凡極まりないもの。なぜならば値の落ちてきたサンマと、今年は豊漁なのか毎日のように入荷してくる下りガツオ。ともにお買い得だし、旨味も脂も最高にのっているし。これをさりげなく一皿盛りにしてニンニクと海老名の海老さんにいただいた柚をそえる。
しかし、これがたった40円のサンマなんだろうか? 脂ものっている上に、ジワリと旨味も舌の上に浮き上がってくる。それ以上に存在感大なのが安売りの下りガツオであって、これがまさかこんなに旨いものだとは、今月最大のうれしい誤算なのである。
たった一人っきりのお父さんは「王禄」を立て続けに飲みながら、黒潮さんに感謝してついつい顔がほころんでいるらしい。なぜなら暗がりから飛んできたヒヨドリのピーがボクを見て首をひねっている。そして「飯をくれ」とピー、キーとなく。いつもは冷蔵庫に餌となる果物を探しに走っていく姫がいない。これはちょいと寂しいが、ひとり酒はうまいなー。
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オオミゾガイを青田買い01