さて土曜日に買い込んだスルメイカはその場を借りて開いてしまう。ワタは酒飲みの海老名の海老さんにお渡しして、ゲソと胴を持ち帰ったら、いきなり一塩、ほんの少しの酒でビニール袋で密閉。半日ほど寝かして、今の季節なら冷蔵庫にラップ無しで、もっと季節が進むと外に干してしまう。風干しの方が早く干し揚がる上に香ばしさが増すようだが、10月初旬も終わろうとしているのに外にはハエがブンブン飛んでいる。
冷蔵庫での乾き具合を見ながら、なんと日曜の夜には食べ頃の乾き加減となった。
ここで話は変わって、「一夜干し」の定義を述べると。干物でひと晩以上陽に当てず干すものを一夜干し、例えばある晴れた日に、朝から夕方まで天日で干したものは単に干物となる。どっちも干すという行為にはかわりないが「一夜干し」の方がうまそうに感じるのは不思議である。
さて日曜日の夕食時になって太郎が騒いでいる。どうしたのかというと、「父ちゃん、どうして最初から干したイカを焼かないの」と聞くのである。これは当たり前のことでボクの晩酌は最初はビール(本物ではない。たまには本物が飲みたいよー)であって、そのあとに日本酒となる。日本酒になってからイカを焼いて食いたい。これが人生行き詰まりお父さんのせめてもの願いであった。
それを無残にも太郎が焼き網に一夜干しをのせてしまった。「何をする、太郎」。「だって食べたいんだもん。お母さん、マヨネーズ出しておいてよ」。これで3枚作りおいた一夜干しの2枚がマヨネーズと共に子供達のお腹の中に消えてしまう。しかも最後の一枚も耳の部分しか残っていなかった。その耳がやたらにうまい。うまいだけに胴の部分も食べてみたかったのだ。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、スルメイカへ
http://www.zukan-bouz.com/nanntai/tutuika/surumeika.html
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ヒメエゾボラは焼きつぶに限る