ケムシカジカの定番的な料理が唐揚げである。市場では唐揚げ用に開いた状態のも見受ける。こんなもの作り方を記すまでもないだろう。
我が家では出来る限り魚貝類を子供達に食べさせたい。そしてその点でもっとも優れた魚貝料理は煮つけ、ブイヤベースなどだと思っている。すなわち骨ごち煮るというもの。こうするとほとんど無駄が出ない。
でも若い世代や子供がもっとも苦手とするのもこの手の骨ごと煮る料理なのだ。
また最近の面白い現象は刺身が売れているということ。これが一見、魚離れのなかで救いのように思っている人たちがいるが大きな間違いだ。刺身は非常に無駄が多く。家庭ゴミが総て消却されてしまうという現実からも「刺身は自然に優しくない」のだということも知っておくべきだ。ちなみに千葉県小見川ではほんの昭和30年代くらいまで刺身の無駄の多さに「殿さんの食い物」と呼ばれていた。
とすると唐揚げは「煮る」「たく」という料理法に匹敵するほど無駄がない。それこそ内臓を除けば前部ひっくるめて「可食部分」と化する。しかも子供達にも大受け! の優れた料理だ。
作り方は不必要だと思ったが念のために記しておく。
まずは魚を適当にばらす。ケムシカジカは皮がザラザラしている、ちょっとゼラチン質でもあるので分けておく。上げる時間の違う骨のある部分と身の部分を完全に分けておくのもコツだ。
ここにコーンスターチもしくは片栗粉、もしくは小麦粉をまぶしておく。これは好みの問題。
そのまま時間を置く。粉をつけて少し置くと身の方からじんわりと水分が出てきて表面がしっとりとしてくる。こうすると油が悪くならない。表面が湿っているとからっと揚がらないと思っている人がいるが大間違いだ。からっと揚がらない原因は温度管理にある。
じっくり時間をかけて1度あげ、いちど引き上げて唐揚げの表面の油が落ち着いてから2度揚げする。
こうすると味のあるケムシカジカの面の骨まで食い尽くせる。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ケムシカジカへ
http://www.zukan-bouz.com/kasago/kajika/sonota/kemusikajika.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
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2007年11月7日の日記