「かきおこ」、カキのお好み焼きの話

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 岡山県日生での昼食はお好み焼きだった。関東の方にはわかって頂けないだろうが、西日本ではお好み焼きは常に身近にある。例えば喫茶店はなくても「街のお好み焼き屋」は絶対になくてはならないものだったりする。またお好み焼きは子供にとっても大人にとっても、軽食としても主食としても欠かせないものであるのだ。
 そして日生の話に戻ると、いろいろ漁村ならではの水産物入りのお好み焼きを食べるには食べた。けれども“お好み焼き屋のおばちゃん”によると「冬でしたらね。『かきおこ(カキオコとカタカナ表記が正しいのかも)』がありましたん(関西弁です)」。ここ日生で名物というと焼き穴子に冬はマガキ、そしてマガキを使った「かきおこ」なのだという。

 さて「かきおこ」とはなんぞや? それはマガキの剥き身入りのお好み焼きのこと。食べていないので、確実なところはわからないけど、お好み焼きにマガキを入れているわけだから、だいたい再現できそうだ。

 ちょうどここに岡山県漁連の日生産の剥きガキがある。後はお好み焼きの基本的なものを揃える。水でといた小麦粉、ここにほんの少しの塩、キャベツ、青ネギ、卵。

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1 ボウルにお好み焼きの生地、キャベツ、青ネギ、卵を入れておく。この時点で決して混ぜ合わせてはいけない。
2 フライパンを熱して油をしき、かなり強火のままマガキを入れる。フライパン内で適当にお好み焼きの円状マガキを配置。
3 手早く地を一定方向に空気を閉じこめるように掻き混ぜ、配置したマガキをつなぎ止めるように丸くフライパンに流し込む。お好み焼きの裏側(フライパン側)はすぐに焼けてくる。この間、非常に短い。
4 ここでまだ表面は生のままでしかないが火を弱めてひっくり返す。これでマガキに焼いた香ばしさが出るし、熱が入りすぎない。ここからは中火。

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5 焼けたな、と思ったら表面に返し。ソースをかけて青海苔。

 このマガキを、「これでもか」と入れたお好み焼きはうまい。意外にカキの風味はなくて、感じるのは旨味が勝っている。それでもマガキの豊かな味わいは存分に楽しめるのは、お好み焼きという包容力のある料理法だからだろう。
 唯一失敗したのがソースの選択。徳島県加賀屋のものは甘口であって、これが「かきおこ」には合わない。これは課題なのだけど、醤油、ソースなどを合わせて「かきおこ」用に誂える必要がある。
 さて、次回は「アサリおこ」を作ってみるつもりだ。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、マガキへ
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/pteriomorphia/kaki/magaki.html
日生のお好み焼きへは
http://uma-i.seesaa.net/article/47422158.html


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コメント(1)

カキオコは商売上手の日生の人たちの
名づけた名称かも?
中国(地方)系のテレビの番組でも
よく紹介されており、冬季の日生では
観光にこられた方が行列を作っています。

http://www.geocities.jp/kakiokonomi/kakiokonomi_1.html

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このページは、管理人が2007年11月30日 12:09に書いたブログ記事です。

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