2007年12月8日の築地土曜会01 場内下見

0

 連日慌ただしい日が続いている。なかでも比較的仕事の少ない金曜日で、それでも布団にもぐり込む前に見た、道路特定財源のニュースに眠れなくなってしまった。ほんとうに自由民主党の道路族というのは悪質な生物である。撲滅すべし、なんて思う。
 ということで眠れなくなって、気が付いたら、そろそろ4時。そのまま気分転換に歯を磨き、パソコンをつけて、返信を2通。4時半には我が家を出る。駅までの道はまっくら。中央線が見下ろせるところに来たら4番線に電車が滑り込むのを見る。ということは39分発に乗り遅れたわけだ。4時台の中央線は本数が少なく総て各駅停車。
 そこに乗り込こんでくる人たちが面白い。きちっと身なりを整えた若い女性は、早朝からどんな仕事なんだろう。明らかに繁華街で一夜を明かした集団。新宿駅で山手線に乗り替えて新橋へ。原宿駅周辺が真っ暗闇なのに驚く。
 新橋から中央市場行きのバス乗り場に急ぐと、無常にもバスは発車したばかりで交差点を右に曲がろうとしている。頭がクラクラするので、生まれて初めて入るドトールで、一度も飲んだことのないカプチーノ。テーブルまで来ると砂糖がない。頭脳は砂糖が欲しいと言っているが、どこでもらえばいいのか、わからないので我慢する。カプチーノが意外にうまい。ちょうど飲み終わったときバスが来る。

 6時半過ぎ、バスが場内に入っていくと、まだ薄暗い中、すでに一般客、外人さんが右往左往している。そして、例の大和などのすし屋前には長い長い行列。

gyouretu07121.jpg
●クリックすると拡大
早朝から行列してまで食べるすし。いわゆる「築地グルメ族」というのは市場に何を求めてくるのか?

 なにか食べてから場内というのがいつものことなのだけど、この一般客のガヤガヤに混ざるのがいやなので、とにかく茶屋を通り抜けて、場内扇の要から一直線に抜けて外側から仲卸を見て回る。

chaya071212.jpg
●クリックすると拡大

 実を言うとボクは場内にある茶屋の雰囲気が好きだ。建物の片隅で飲み物を温めたいたり、暇そうに椅子に腰掛ける老人がいたりする。ここだけ時間が止まっているように思えるのもいい。

 相変わらず白熱灯が煌々とともる場内。やはり、正月ものが目立ってきている。数の子、新巻鮭、蒲鉾。蒲鉾の赤い包装紙が白熱灯の下でやけに浮いて見える。サケを専門に扱う店舗が、なんだか慌ただしい様子なのも師走らしいな。

sake071212.jpg
●クリックすると拡大
国産もののサケよりも輸入されたギンザケやベニザケの方が高い

 ちなみに店頭にある塩鮭は「秋鮭(サケ)キロ当たり580円」、「時鮭(サケの北洋や遠洋のものの若魚。脂がのっている)キロ当たり900円」、「養ぎん(チリ産ギンザケ)キロ当たり850円、800円」、「ベニザケキロ当たり1400円、1350円」、

 それに反して鮮魚は低調で、面白いものは皆無だ。やっと琴線に触れたのが多分厚岸産だろうエゾボラ属の巻き貝。見たところエゾボラモドキ、クリイロエゾボラと現在の資料では種名のわからないもの。
tubu071212.jpg
●クリックすると拡大
「まつぶ(エゾボラ)」、クリイロエゾボラ、エゾボラモドキと不明のつぶ

 また産地がまったくわからないものにウスムラサキエゾボラ、フジイロエゾボラなどがある。八王子では見られない大型のエチュウバイは山口県、石川県産。このところ島根県産をあまり見かけない。

akagarei071212.jpg
●クリックすると拡大
アカガレイは裏側が赤いほど鮮度がいい。隣のパックはマダラの白子

uni071212.jpg
●クリックすると拡大
根室産の殻付きエゾバフンウニは毎年いちばん寒い時期に入荷してくる。厳寒の海でどうやってとるのだろうね

 今期初めての根室からのエゾバフンウニ、見事なアカガレイ、メスガニ(ズワイガニ)が溢れている。熊本からはハマグリの特徴がまったくない「ハマグリ」らしいもの。
 コウイカ(築地では「墨いか」)、ワカサギ、カワハギ、キアンコウ(本あんこう)が見事だ。「あんきも(輸入もののキアンコウの肝)」、「白子(輸入もの、国内もののマダラの精巣)」もたっぷり。
 他にはキジハタ、アオハタ、ニシン、スケソウダラ、ババガレイ、こはだ、なかずみ(コノシロの8センチから15センチ前後)、「なまこ(マナマコ)」、アカガイ、オオマテガイ。マイワシはいいものではあるが、ほとんど2000円前後なのに驚く。
 冬を思わせるのはマダラのフィレ、マダラの一本入り。一本入りはメスがキロ当たり800円、オスがキロ当たり1500円。
 並ぶトラフグのみがき。天然もので1本17000円、養殖で6000円〜8000円ほどだ。

migaki071212.jpg
●クリックすると拡大
この「みがき」は毒の部分を除去して身と皮などをきれいに箱詰めしたもの。鮮魚としてのトラフグを買うより上だと思う

 またヒガンフグ(築地では「あかめふぐ」)、マフグ、ショウサイフグ、シロサバフグもある。マダラもフグも鍋材料で、仲卸の店頭に浅葱というのも冬らしい。


maguro071212.jpg
●クリックすると拡大

mise071213.jpg
●クリックすると拡大

『虎定』の前まで来てオヤジさんにこの前にもらった「きぐち」が検索ではフウセイだったという話をしていると、なんと7時15分を回っている。大急ぎで場外に向かう。
■場内での価格はほとんど総てが「キロ単価」


このエントリーをはてなブックマークに追加

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://blog.zukan-bouz.com/mt-app/mt/mt-tb.cgi/1318

月別 アーカイブ

このブログ記事について

このページは、管理人が2007年12月 9日 10:13に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「リンクのページを改訂」です。

次のブログ記事は「2007年12月8日の築地土曜会02」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。