焼き穴子で湯豆腐

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 夜、遅く帰った日は、シャワーを浴びる前に昆布を沈めて小さな火をつけておく。
 さっぱりしたら昆布をとりだして、酒たっぷり、味醂少し、塩で味を調える。
 そこに焼き穴子と、豆腐を入れて、またトロトロとたく(煮る)のだ。
 温めるのではなく、豆腐に焼き穴子のだしと、塩味をしみこませていく。

 岡山中央市場『喜水』で買い求めた焼き穴子は小振りなのだけど、とても味が濃い。
 また小振りなのだけど脂がのっている。
 この吸い物ほどに味付けした出しの中で、焼き穴子は旨味をだし、しかも塩気、昆布の旨味を染みこませていく。
 ゆっくりゆっくりたくことによって、だしがらにはならない。

 煩わしいこと、面倒なことを、小一時間で片づけると、ちょうどうまい具合に豆腐が煮えている。
 合わせる酒は「一ノ蔵 掌」。
 しみじみうまい酒で、しかも辛く、切れがいい。
 理想的な酒に、ほどよく味付けされた豆腐が胃の腑を温めてくれる。
 焼き穴子の味も上々。

 年中開けっぱなしの本の部屋の窓から、やっと11月らしい重く冷たい空気が入り込んでくる。
 冷や四、五ぱい飲んでの、涼風が気持ちよいな。
 
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このページは、管理人が2008年10月31日 06:48に書いたブログ記事です。

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