今朝、八王子綜合卸売協同組合『清水保商店』のタモツちゃんが、
「あのさ、これは“のどくろ”じゃないんだろ」
いつもよりちょっぴり真面目な顔をして聞いてくる。
島根県浜田市の『ハマショウ』の製品。
よく見るとユメカサゴに思える。
原材料名は「かさご」。
山陰沖であること、側線回りに微かに筋状の黒みがあるので、ユメカサゴに違いない。
「“のどくろ”じゃないんだろ」と聞かれると返答に窮する。
“のどくろ”でもいいからだ。
ボクは食に関することをなんでも調べているおかしな男であるが、釣り師でもある。
相模湾で釣り師、そしてユメカサゴを釣り上げると「“のどくろ”がきたぞ」となる。
相模湾の“のどくろ”はユメカサゴなのだ。
それが証拠にユメカサゴの口の中も腹の中も黒い。
最近持てはやされている“のどくろ”、アカムツと同じだ。
アカムツほどではないが、神奈川、静岡あたりでは高級魚だ。
小振りとはいえ、地物のユメカサゴの干物を製品化するなんて山陰浜田は豊かだね。
タモツちゃんが「ふん」といって1パック寄こす。
「あんたは偉い。ありがとう」
さっさと消えようとすると、
「●●円ちょうだい」
結局売りつけられた。
値段は仲卸の秘密なので言えないが、定価にしたら3匹入り1パックで450円から500円くらいだろう。
まあオマケしてくれたんだろうな。
本日の帰宅が9時前、風呂上がりにハマショウの干物でビールをいっぱい。
2枚焼いたら、うますぎて3枚とも食べてしまいそうだ。
1枚追加して、さてコップ酒といきますか。
干物がなくなったのにコップ酒2杯目だ。
ユメカサゴの干物がうますぎて、その味の余韻で酒を重ねている。
この脂ののっていること、無類と言っていいだろう。
その透明な脂に甘みがある。
しかもこの香ばしい風味は箸を止めることを許さない。
浜田港には大型底引き網が入港してくる。
水揚げされる魚は見た目は悪いけど驚愕するほど脂がのっている。
たぶんこのユメカサゴも底曳網のもので、だからこれほど脂があるのだろう。
おそるべし浜田のユメカサゴ。
ハマショウ 島根県浜田市原井町3050-58
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ユメカサゴへ
http://www.zukan-bouz.com/kasago/fusakasago/yumekasago.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
http://www.zukan-bouz.com/
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