ウルイとベニボタンでサラダ

0

tonburi090101.jpg
●クリックすると拡大

 料理は簡単な方がいい。
 常々そう思っているので、お手軽で便利な食材はどこを歩いていても、すぐに目に飛び込んでくる。
 安いウルイを築地場内やっちゃ場で見つけた。
 ときどき大量に安く出回るベニボタンは地元八王子にあった。
 これに常備しているとんぶりを合わせて10分以内にできる超簡単サラダをつくる。

 さてまずは材料の説明から。
 ウルイ(オオバギボウシ)は ユリ科の植物で春先の若い葉を食べる。
 山菜としては有名なものだが、似た植物に毒のあるコバイケイソウというのがあって、「間違って食べて中毒」というニュースで有名だ。
 三多摩地区の日当たりのいい場所に生えているウルイも、最近ではなかなか取りに行けなくなっている。
 でもありたがいことに山形県などから、栽培したものがたっぷり入荷してくるようになった。
 太陽光を遮断し軟化栽培したもので、ちょっと香りは薄いものの味はいい。

 とんぶりはホウキグサの身をゆでこぼしたもので、袋詰めされてスーパーでも普通に売られている。
 ボクが30年以上前に上京したときに、最初に見つけた面白い食べ物がこれで、以来なんとなく常備しているもの。

 ベニボタンは「紅ぼたん」という商品名で標準和名ではない。
 ややこしいいい方だが、パナマ、エクアドルなど中米あたりに生息するミノエビの仲間。
 海外のエビなので標準和名がなく、商品名を使うしかないのだけど、和名をつけるなら、「●●ミノエビ」とすべきなのに、“売れそうな名前で出ています”というちょっと面倒な状況にある。
 ただミノエビの仲間はみな味がいい。
 当然ベニボタンも、味はいいし、知名度が低いので安いという、まことに庶民にはありがたいものなのだ。

 こんなことを書いている最中に料理は進行している。
 たっぷりお湯を沸かす。
 脇でマヨネーズにとんぶりを放り込みかき混ぜて、レモンと塩コショウで味を調える。
 鍋にお湯を入れて、まずはウルイをゆでて、水に放り込みあら熱をとり、ザルに上げておく。
 その同じお湯で今度はベニボタンもゆでて、こいつも水に落として熱を冷まして殻を剥く。
 後はウルイを適当に切り、エビと合わせて、とんぶりマヨネーズをかけるだけ。

 見た目も悪くないし、エビは甘い、ウルイも甘みがあって、とんぶりのプチプチに太郎はマヨラーでもある。
 お父さんの酒の肴としても優秀であるからして、またうれしからずや。

 こんな料理を作ることで主夫は、忙しいなかに時間を稼ぐ。
 ことほど左様に、今を生きるというのは慌ただしく忙しいのだ。
 最近有識者という無知なヤカラが、「最近の主夫(婦)は暇なクセに料理もちゃんと作らない」なんてことを言う。
 それに踊らされて「料理の知識も、食材の知識も低いから教えてやろう」なんて、もっともっとおバカがいるから困ったものだ。
 これを食育というのだけど、ボクとしてはコヤツらの食材の知識や現状認識度を調べてみたい。

 やっとできた時間、家族から離れて佐藤雅美の小説を読む。
 ボクが佐藤雅美の小説を読んでいるときは、間違いなく実生活では絶不調に陥っているとき。
 今年はどうしてこんなに、ついていないんだろう。

2008年5月29日
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ベニボタンへ
http://www.zukan-bouz.com/ebi/minoebizoku/panamaminoebi.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
http://www.zukan-bouz.com/


このエントリーをはてなブックマークに追加

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://blog.zukan-bouz.com/mt-app/mt/mt-tb.cgi/1814

コメント(1)

user-pic

「偽りの生活は絶好調!」とは羨ましい限りです。

月別 アーカイブ

このブログ記事について

このページは、管理人が2009年1月23日 07:16に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「2009年01月22日の改訂記」です。

次のブログ記事は「安すぎるカンパチでカルパッチョ」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。