料理は簡単な方がいい。
常々そう思っているので、お手軽で便利な食材はどこを歩いていても、すぐに目に飛び込んでくる。
安いウルイを築地場内やっちゃ場で見つけた。
ときどき大量に安く出回るベニボタンは地元八王子にあった。
これに常備しているとんぶりを合わせて10分以内にできる超簡単サラダをつくる。
さてまずは材料の説明から。
ウルイ(オオバギボウシ)は ユリ科の植物で春先の若い葉を食べる。
山菜としては有名なものだが、似た植物に毒のあるコバイケイソウというのがあって、「間違って食べて中毒」というニュースで有名だ。
三多摩地区の日当たりのいい場所に生えているウルイも、最近ではなかなか取りに行けなくなっている。
でもありたがいことに山形県などから、栽培したものがたっぷり入荷してくるようになった。
太陽光を遮断し軟化栽培したもので、ちょっと香りは薄いものの味はいい。
とんぶりはホウキグサの身をゆでこぼしたもので、袋詰めされてスーパーでも普通に売られている。
ボクが30年以上前に上京したときに、最初に見つけた面白い食べ物がこれで、以来なんとなく常備しているもの。
ベニボタンは「紅ぼたん」という商品名で標準和名ではない。
ややこしいいい方だが、パナマ、エクアドルなど中米あたりに生息するミノエビの仲間。
海外のエビなので標準和名がなく、商品名を使うしかないのだけど、和名をつけるなら、「●●ミノエビ」とすべきなのに、“売れそうな名前で出ています”というちょっと面倒な状況にある。
ただミノエビの仲間はみな味がいい。
当然ベニボタンも、味はいいし、知名度が低いので安いという、まことに庶民にはありがたいものなのだ。
こんなことを書いている最中に料理は進行している。
たっぷりお湯を沸かす。
脇でマヨネーズにとんぶりを放り込みかき混ぜて、レモンと塩コショウで味を調える。
鍋にお湯を入れて、まずはウルイをゆでて、水に放り込みあら熱をとり、ザルに上げておく。
その同じお湯で今度はベニボタンもゆでて、こいつも水に落として熱を冷まして殻を剥く。
後はウルイを適当に切り、エビと合わせて、とんぶりマヨネーズをかけるだけ。
見た目も悪くないし、エビは甘い、ウルイも甘みがあって、とんぶりのプチプチに太郎はマヨラーでもある。
お父さんの酒の肴としても優秀であるからして、またうれしからずや。
こんな料理を作ることで主夫は、忙しいなかに時間を稼ぐ。
ことほど左様に、今を生きるというのは慌ただしく忙しいのだ。
最近有識者という無知なヤカラが、「最近の主夫(婦)は暇なクセに料理もちゃんと作らない」なんてことを言う。
それに踊らされて「料理の知識も、食材の知識も低いから教えてやろう」なんて、もっともっとおバカがいるから困ったものだ。
これを食育というのだけど、ボクとしてはコヤツらの食材の知識や現状認識度を調べてみたい。
やっとできた時間、家族から離れて佐藤雅美の小説を読む。
ボクが佐藤雅美の小説を読んでいるときは、間違いなく実生活では絶不調に陥っているとき。
今年はどうしてこんなに、ついていないんだろう。
2008年5月29日
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ベニボタンへ
http://www.zukan-bouz.com/ebi/minoebizoku/panamaminoebi.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
http://www.zukan-bouz.com/
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
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安すぎるカンパチでカルパッチョ
「偽りの生活は絶好調!」とは羨ましい限りです。