毛虫はないだろう、可愛そうだと、この魚を見るたびに思うのだ。
むしろ獅子ガシラとかイグアナに似ていないだろうか?
そうだ死んでしまった俳優の関敬六にも似ている。
ようするに毛虫ほどに嫌われているわけじゃなく愛嬌のある魚だといいたいのだ、ケムシカジカは!
ケムシカジカは三陸福島などの刺し網でわんさかあがる。
北海道では「トウベツカジカ」というのだけど当別とは津軽海峡に面した町の名前。
ここでたっぷりとれたから「当別」というらしい。
でも北海道ではどこでも揚がる。
どの港でも揚がるのだけど、そんなに好かれている魚だとは思えないのだ。
普通、顔は悪いが味がいい、なんて言うではないか。
残念ながらケムシカジカには当てはまらない。
確かに寒い冬に肝共々にみそ汁にぶち込んだら、なかなかうまいとは思う。
でもケムシカジカでなければならないのか?
例えばニジカジカ、いいじゃない!
トゲカジカ(ナベコワシ)、いいじゃない!
マダラ、もっともっといいじゃない!
なんてことになる。
安いのが取り得だから、これぐらいの評価でいいのだ。
この醜い魚が活魚で入荷してきた。
綿くずのように水槽に沈んでいる。
手網ですくうと、ほとんど抵抗しない。
長旅に疲れたのかもしれない。
「ごめんね、ごめんね」といいながら成仏してもらい。
血抜き、神経を抜いて持ち帰る。
これを刺身にするのだけど、脇に湯がいた肝と胃袋を添えることだけはお忘れなく。
ケムシカジカの身は繊維に欠けるためか、そんなにきれいに薄造りにならない。
もしきれいなものを作るとしたらちゃんとして腕を必要とする。
残念ながらボクにはそんな腕前はないのだ。
すぐに白濁して軟らかくなってしまう水分の多い身が、さすがに活魚なので透明感を残している。
口に入れるとちゃんとシコっとした歯触りがするのだ。
旨味はどうか、というとややもの足りない。
カサゴ目の旨味はしめてすぐに最高点に達するものもあるという。
ケムシカジカの味の頂点はどこにあるのか?
結局活魚でもわからず仕舞いとなりそうだ。
ただ活魚でならケムシカジカの刺身もいける、これは間違いないのだ。
2009年2月28日
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ケムシカジカへ
http://www.zukan-bouz.com/kasago/kajika/sonota/kemusikajika.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
http://www.zukan-bouz.com/
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