5月29日の築地場内、魚がなくて寂しかった。
仲卸の『大音』さんに寄って、
「魚ないですね」
なんて挨拶代わり。
「魚より人がいねーよ」
オヤジさんがぼんやり椅子に腰掛けている。
そんなとき、お客が来て
「ハーモニカあります」
「あります、あります
若だんなが、白いかたまりをお客に見せている。
「いいっすね」
お客は若くて、和食ではなく洋食系の料理人に見える。
「オヤジさん、ハーモニカってなに?」
「ハーモニカは、ハーモニカだよ。見せてやれ」
若だんなが見せてくれたのが、不思議な物体だ。
「カジキの鰭の下のところなんです」
よく見るとメカジキの背鰭担鰭骨だ。
お土産に一個いただいて帰った。
オヤジさんが「焼くか煮るかするとうまいよ」というので、まずは焼いてみる。
塩をまぶして、オリーブオイル、白ワイン、タイム、コショウで半日寝かせる。
これを遠火の弱火で2時間かけてこんがり焼き上げる。
表面がかりっと香ばしく、中はジューシーで身がとろっととろけるようだ。
うまいか? というと、そんな生やさしいものではない。
それこそ「ビックリしたなもー」てなうまさに驚愕、驚天動地、思わずひっくり返る。
大音のオカアサン、オヤジさん、若だんな、ありがとうございました。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、メカジキへ
http://www.zukan-bouz.com/suzuki/kajiki/mekajiki.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
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