スズメダイを「お仙(おせん)」もしくは「お仙殺し(おせんごろし)」と呼ぶ地域がある。
今回撮影用に分けていただいた妻鹿漁港でも「おせん」だったのだ。
なぜお仙さんは死んだのか?
だいたいお仙はいつ頃の人で、どこに住んでいたのか?
生業は、結婚していたのか?
子供はいたのか?
こんなことを考えながら撮影をし、あぶってかもを作る。
背ごしにもする。
今回のスズメダイはやせている。
どうやら産卵後らしくて旬ではない模様だ。
背ごしにしても脂がない。
まあ薄く切り、氷で締めて皿に盛る。
韓国酢みそ(コチュジャンと酢)で食べると、なかなかいける。
脂がないけれど、ちゃんと旨味があり、脊椎骨はこりとして、噛み切れないけど、この食感も悪くはないのだ。
翌日にはできあがった「あぶってかも」を焼いて食べる。
これも決してまずくはない。
ただ初夏のようにジュウジューと脂が滴り落ちることもなく、非常にさっぱりしている。
さて、やせていたせいか、やたらに骨が気にかかる。
そしてついに鋭い痛みが舌に走る。
思ったよりも太くて先の鋭い骨が、舌に刺さっている。
確かにこれだけ硬い骨なら、お仙さんの喉に刺さって、死に至らしめてもおかしくはないな。
舌に一度刺さってもひるむことなく、あぶってかもを食べ尽くしてしまった。
そしてお仙殺しの意味を深く理解できたのだ。
背ごし作り方
1 鱗を取り去り、頭を落し、ワタを抜き、鰭を切り取り、軽く水洗い。
2 頭の方から横方向に薄くスライスしていく。
3 これを氷水に冷やして、水気を切る。
4 コチュジャンに酢を合わせる。好みでごま油を加える。
あぶってかもの作り方
1 鱗を取り、ワタを抜く。鱗もワタもそのままでもいい。
2 振り塩をする。(好みで)
3 半日以上寝かせる。
4 乾かしても、そのままでもよく。焼いて食べる。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、スズメダイへ
http://www.zukan-bouz.com/suzuki2/suzumedai/suzumedai.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
吸い口とはなんだ! 後の記事 »
サケビクニンが宮森水産から