吸い口とはなんだ!

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磯遊びは楽しい。
ボクなどもっとも興奮するのが磯に出たときだろう。
思わず我を忘れて、息苦しくなる。
磯にひそむものが膨大にある。
実は磯遊びの経験をつむほど、磯の生き物の多彩さが見えてきて、そして何度も何度も圧倒されて、そのうち気持ちよくなる。

さて、その膨大な生き物にはカニやエビといったわかりやすいものから、プラスティックの破片に見えるもの。
色付きの泡(あぶく)のようなものや、岩と見分けのつかないもの。
非生物と生物の区別すら難しいものがいっくらでも存在するのだ。
そのひとつがオオヘビガイだ。

磯の岩場に管状のくねくねしたものがある。
楊枝ほどの太さから、子供の箸くらいのもの。
その楊枝くらいのものを、何かで壊してみる。
中から出てくるのはミミズのような生き物だ。
これは環形動物といって確かにミミズの仲間ともいえる。
そして子供の箸くらいのを壊すと、なかなか出て来ないけど生き物らしい存在を見る。
壊さないで潮の満ちてくるのを待とう。
なかからカタツムリの頭のようなものが、ゆらゆらとヒモ状の唾液のようなものを出す。
これが巻貝の仲間なんてわかる人はいないだろうね。
今回の主役のオオヘビガイなのである。

実は伊豆半島なので夜釣りをする。
真夜中に釣りどまり(釣れない時間)がくる。
そんなときにみそ汁を作るのだが、コッヘルに放り込むのは海藻(ワカメなど)、磯の巻貝(ニシキウズガイ類)やカメノテ、そしてこのオオヘビガイなどである。
このみそ汁がうまいのだけど、ゆでて軟体(中身)を食べてみようなんて考えたことがなかった。

それを今回オオヘビガイを送ってくれた、日美丸さんの棲む広島県倉橋島では食べているのだという。
倉橋島での呼び名が「吸い口」。
長い管状なので軟体部分がなかなか出て来ない。
管の反対側を壊して、空気が通じるようにして、片側から吸い出して食べる。
それで「吸い口」と呼ばれるのだという。

面白そうなので、酒蒸しにして、吸い出してみる。
これが思ったよりも難しい。
でも思案することもない。
楊枝でつつきだすと、それほど面倒でもなく出てくる。
この軟体がなかなうまいのだ。
思ったよりもたっぷりだし、管状のなかから出てくる汁とすすると、甘みがあって、旨味が強くて、磯の香りがある。
こんな食べ方、知りませんでした。

まことに日美丸さんには感謝!

広島県倉橋島、日美丸へ
http://ww5.enjoy.ne.jp/~kogera0401/
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、オオヘビガイへ
http://www.zukan-bouz.com/makigai/bansokurui/hebigai/oohebigai.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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このページは、管理人が2009年9月22日 08:32に書いたブログ記事です。

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