ツボダイの正体

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スーパーなどで何気なく目にしているもので、わからない食材がある。
たぶん、ツボダイというのもそのひとつだろう。
こいつを初めて見たときにも、ボクはかなり混乱した。
1988年のこと。
青森県青森市の駅前市場に味噌漬けになって山のように盛られて売られていた。
ツボダイというのはカワビシャ科という、どちらかというと珍しいたぐいの仲間であり、こんなにとれるのだろうか?

このツボダイの正体がクサカリツボダイという、1960年代後半から漁の始まった新顔の魚であることを知るのは、この東北旅行のすぐ後のことだ。
ありきたりの魚類図鑑ではわからないことがあるのだ、と思至ったときでもあった。
板皮類とか肺魚、ノトテニアだとか、魚類学の基本からも外れる、日常的な、例えば食材を分類するという分野があるのだとも気がついた。

さて、今回のクサカリツボダイの干物は千葉県銚子市にある『丸安』のもの。
パッケージデザインのよさで、買ったもの。
ちゃんと中部太平洋でとれたものという表示があって、わかりやすい。
これならクサカリツボダイの存在感が浮かび上がってくる。

もちろん普通に流通してきたもので、名品とかそんなものではない。
値段は小売りにすると、かなり高いものとなるだろう。
最近の傾向通りに脊椎骨をちょうど半分に割ってあり、食べやすいのもよい。
塩加減もまことにほどよく、1人1尾食べても(食べ過ぎだけど)塩辛くは感じない。
干物はご飯との相性もよく、夕食に焼き上げると酒の肴にもいい。

朝ご飯に干物という取り合わせは、ボクのもっとも好むところだ。
うまいクサカリツボダイの干物と、名残のナスのみそ汁で、ご飯一膳。

丸安 千葉県銚子市川口町
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、クサカリツボダイへ
http://www.zukan-bouz.com/suzuki3/kawabisha/kusakaritubodai.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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このページは、管理人が2009年10月14日 07:58に書いたブログ記事です。

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