ハンバーガーを初めて食べたのはいつ頃だろう。
初めて、ハンバーガーというものがある、ということを知ったのはテレビマンガ(アニメ)ポパイだ。
夕方、確か午後7時前に10分間ほど、「ポパイザセーラーマン」の歌とともに始まる。
(放映は1959年〜1965年)
そこに無類のハンバーガー好きである、ウインピーという太ったオジサンが登場する。
手にはいつもハンバーガー。
テレビのなかだけの存在、ハンバーガーというのはまったく未知の存在だった。
実際にハンバーガーを食べたのは1975年に上京してからのことだ。
マクドナルドの日本上陸は1971年銀座三越内。
これはテレビでも大きくとりあげられた。
そして徳島にやってきたのは、時期は不明ながら、徳島市内東新町にあった丸新デパートだったと思う。
ちなみにこのようなファーストフードというものが日本でも見られるようになったのが大阪万博(1970年)以降だとされる。
万博会場を目をキラキラさせて歩いていたボクには、このファーストフードというものがある意味、商店街にとってがん細胞に近い存在になるとは、まったく予想もできなかったものだ。
マクドナルドのメニューに「フィレオフィッシュ」というのがある。
ようするに白身魚のフィレのフライをバンズに挟んだもの。
初めて食べたときには、「タラだろう」と思った。
それが南半球のメルルーサになり、ホキかも知れないとも思ったけど、結局謎のまま。
この白身魚のフライというものが、アメリカでは往々にしてナマズであることは、アメリカ人の知人ができてからわかったことだ。
アメリカ南部ミシシッピ川周辺などではナマズの養殖が盛ん。
この地域の重要な産業でもある。
アメリカ人はどのようにナマズを食べているのか、というとフライなのだ。
当然、パンの国なのだから、トーストとナマズのフライとか、当たり前だけどハンバーガーに挟んで食べる。
アメリカでとれる白身魚というとマダラがすぐに思い浮かぶ。
太平洋、大西洋の北部での最重要種がマダラなのだけど、それに肩を並べてナマズがあるわけだ。
そして今回のバサそしてチャーだけど、カンボジアやベトナムなどに生息する巨大ナマズの一種でベトナムなどで盛んに養殖している。
これがアメリカに輸出され、価格差からアメリカ国内の養殖業者との軋轢が生まれている。
その上、本来ナマズを食べなかったヨーロッパにも輸出されるようになり、新たな需要を生み出してもいるのだ。
まさか水産国日本では食べられていないでしょう? と思ったら大間違い。
「そんなの全然見たことがない」という方がいるだろうけど、スーパーなどの魚売り場にはなく、「おいしい白身魚のフライだね」と持ち帰りの弁当の中身になっている。
弁当などの原材料の表示を読まない限り、気がつかないで食べていることになる。
さて、今回はバサをハンバーガーに挟んでみた。
ナマズというと生臭くないか? と心配だろうけど、むしろ無臭、まったくクセがない。
海産のタラ類よりも食べやすい。
脂がのっているためか、揚げると身が少々やせるが、ほどよくジューシーに思える。
要するにフライにしてうまいのである。
バンズは市販のもの。
そこにレタスとともに挟む。
まことに簡単で、しかも適度にボリューミーなお昼ご飯なわけで便利でもある。
家族も誰一人ナマズとは思わずに、うまいうまいと食べている。
マックの「フィレオフィッシュ」がナマズになる日もそんなに遠くはない? 気がするな。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、バサへ
http://www.zukan-bouz.com/namazzu/pangasius/basa.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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