4月なんだから、春らしいものを、春らしいものを、などと思っていた桜散り、八重桜満開となる。
多摩丘陵がいちばん美しいときを迎えている。
そして八重桜も散り始めているではないか。
けだし春の進み具合は早い。
八百屋に九州の竹の子が並び、いつの間にか、地物、相模原などからの大きなものが見られるようになった。
そしてこの出盛りの竹の子に、今月初めとどいた三陸のワカメを合わせる。
気仙沼の仲買、makoさんから、
「沖合で養殖しているもので、最上級のワカメなんです。香り、味ともに最高ですから食べてください」
と送ってくれたものだ。
徳島出身なのでワカメにはうるさいつもり、のボクが圧倒されるほどに味のいいワカメであった。
「ワカメは沖合で養殖したものの方が、いいものができるようなんです」
こんなことをmakoさんに教えていただいたのも大収穫。
若竹煮は竹の子をゆでる時間と、だしをとる時間を除けば、いとも簡単、しかもしごく合理的な料理だ。
肝心なのはうまいだしをとることだけ。
今回は江戸後期、明治、大正に農家などでさかんに使われていた、素朴な石皿に盛ってみた。
若竹煮も石皿のような何気ない普段の食べ物なんだろう。
薄味で炊いた、竹の子の風味と味わい。
海をそのまま連れてきたような、ワカメの香り。
静岡県沼津で作られる『白隠正宗』の冷やがこれまた結構な味でいい。
春なのに憂鬱な日々が続き、これが唯一のなぐさめとなる。
作り方
1 竹の子は皮を適当に二三枚剥き、てっぺんを落として切れ込みを入れ、糠、鷹の爪と1時間ゆでる。そのまま一晩鍋止め。翌日水洗いして水にさらしておく。ちなみに京都周辺の竹の子なら、こんな手間はいらない。
2 カツオ節だしをとり、八方地を作る。カツオ節だし、みりん、酒、塩、薄口醤油がうまだし八方の基本。
3 竹の子を適当に切り、八方だしで煮立たせないようにたく。竹の子が煮えてきたら、別鍋に竹の子のだしをとり、少し塩加減をして味を濃いめにして、水洗いし、もどした塩ワカメをほんの5、6分たく。
4 出来上がったら竹の子、ワカメを盛り、竹の子の薄味のだしをはってできあがり。
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ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ワカメへ
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