故郷をめざす旅  01

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午前7時前の新幹線自由席に乗り込み、ほとんど埋まっていない座席を見て、ビックリする。
「今日は間違いなく連休の二日目(4月30日)だよな」
座席を確保するために早朝に家を出たのはムダだったようだ。
途中、ややぼやけ気味だが、富士山は見えた。
ややぼやけ気味だが、富士山は見えた。
姫に「富士山だよ」というと、「なんだそれ」といった態度で携帯画面から顔を上げようとしない。
まことにこんな娘に育てたつもりはない、のだけどね。
大阪駅着が10時前。
御堂筋線に乗り換えて、心斎橋へ。
このようなザワザワしたところが姫は大好きなのだ。

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お決まりの『かに道楽本店』のズワイガニ

道頓堀を越え難波に抜けて久しぶりの南海電車。
特急に乗り込んだら両側に長い座席で、どうにも特急に思えない。
心配になったので駅員に聞くと、「これですよ」というので発車を待つ。
南海電車に乗る人は、ほとんどが関西の人だろうけど、マナーの悪い東京人よりも明らかに数倍マナーが悪い。

和歌山市駅到着が10時45分。
11時40分の徳島行フェリーまでの時間を市内で過ごす。
和歌山市駅前に「小鯛雀ずし」の看板がある食堂がある。
この食堂に後ろ髪を引かれながら、ぶらくり丁へでも行こうかとタクシーに乗り込むと、「あそこは何もないなー。和歌山駅の方がまっしゃわ」と言われ、素直に「そうしますわ」と返事する。
注/このあたりから関西弁にいたしたく存じまする
この和歌山駅周辺にもなにもない。
まったく空白地帯というか、和歌山らしさが爪の垢ほどもないし、その上まったく活気がない。

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だいたい、駅前に「これぞ和歌山ならではだ!」と思った「小鯛雀寿し」の看板を見つけたら、その下にあるのはコンビニだった。
「ガクガク、ガックンでんがな!」
確かフランキー堺の「喜劇シリーズ」に「和歌山と言えば小鯛の雀寿し」という台詞があったはず。 
思い出すと、10年近く前にも同じ事を感じている。
「和歌山市に和歌山らしさはまったくない」のであると。
そして区画整理とか、再開発をやり、土地ならではの財産をただ無意味に破壊してくれた役人や企業などに「お前らは無能で愚か者である」と心の中で、またまた思い切り叫んでしまうのである。

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近鉄デパートの地下で県産の水産加工品を買い込み、自宅に送る。
焼きアユ、干しガレイ、ウツボの小明石煮、サンマの丸干し。
焼きアユ、干しガレイは観光客目当てに作られた、それらしいものではあるが、素直に「釣られました」のである。
魚売り場にハモの皮、焼き穴子がある。
見事な天然マダイやカツオもある。
なかなかお魚は豊富でおますなー。

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お昼ご飯は姫が選んだ食料品売り場の店で、ボクはきつねうどんと炊き込みご飯のセット、姫はカレーうどん。
「なかなかうまいやないか!」、おいしく食べながら品書きを見ると、ここは讃岐うどんの店らしい。
和歌山で讃岐うどんとは「とほほ、とほほ」と泣けてきます。
姫は友達用のお土産を、早くも買い込んでいる。
ムダに楽しそうである。
むしろ「その土地らしさ」を探すのは無意味なこと、なのかも知れまへんなー。

気がつくと、時間はあっと言う間に過ぎていたらしく、慌ただしくタクシーで和歌山港へ。
風がビュンビュンと吹き荒れる中、約30年振りの南海フェリーに乗り込む。
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このページは、管理人が2011年5月 4日 14:51に書いたブログ記事です。

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