9月、信州佐久への旅 02

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9月13日
目覚めると7時。
たっぷり眠ったはずなのにまだ眠い。
ベッドに入って、暑くてたまらず、
エアコンを最強にして部屋を冷やし、
こんどは冷やしすぎてふるえて、
とヘンテコリンなサイクルの中にいた。
本当にこれが佐久平の9月なのだろうか?
シャワーを浴び、メモの整理を終えて、9時過ぎにホテルを出る。
長野県水産試験場佐久支場をめざす。
国道141号線から県道139号線に左折する。
 
途中、なんとなく気になる店を見つける。
これが大正解。
A- COOP中込支店であって、
なんと店の前に小ブナの生け簀がある。
生け簀を泳ぐフナを見て驚いた。
まったく自然界に存在しない形態をしているのだ。
例えばギンブナとはずいぶんかけ離れた形態で、
むしろキンギョに近い。

funa111.jpg
 
生け簀の前にはひっきりなしにお客が来る。
お客の総てが老人で、男女の比率は同じくらい。
1キロという人は少なく、5キロ、6キロは当たり前、
「うちは8キロだね」なんてオバアチャンがいる。
ザルに上げて重さを量り、ビニール袋に水と一緒に入れる。
最後に酸素で膨らませる。
 
兵庫県瀬戸内海側でのコウナゴ(イカナゴ)を売る光景は
春の風物詩としてマスコミなどでよく取り上げられる。
この信州佐久の小ブナの売り出しは高原に秋の到来を告げる。
こちらも今では数少なくなった季節感を感じさせるもので、
もっと注目を浴びてもいいのではないか?
ちなみに「小女子のくぎ煮」もうまいが、
この改良ブナの甘露煮も非常に美味だ。
 
ここで氷を買い、いろいろ話を聞く内に、
近所で小ブナの収穫をやっているという。
押っ取り刀で駆けつける。
石神地区の水田でご夫婦らし男女が
小ブナを水路の生け簀から引き上げている。
残念ながら水揚げはほとんど終わっていたが、
お話も聞けたし、
「稲刈りの時期が小ブナの収穫期でなければならない理由」もわかった。

funa222.jpg

水を落とした水田には大量のタニシがいる。
最初はマルタニシかな、と思ったのだが、
じっくり見るとヒメタニシであるようだ。
これをわざわざ取っていただき、持ち帰ることが出来た。
 
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佐久地方では古くは田んぼでコイの養殖をしていた。
餌はカイコのサナギ。
田んぼは有機質に富み、同時にタニシも大量に発生したはず。
この比較的栄養分に富んだ田で繁殖するのは
マルタニシよりもヒメタニシの方ではなかったか?
当然、これも貴重なタンパク源であったはずで、
『長野県魚貝図鑑 1980』に
「ヒメタニシは食用になっていて、魚屋でも売られていた」
という記述がある。

funa444.jpg
 
柳沢さん夫婦の黄金色の田んぼに大きな岩がある。
これが石神神社のご神体であるようだ。
倒れている稲が多いのはどうしてだろう?
柳沢さんたちも「おかしいな」と言っていた。
高原の9月なのに、こんなに暑い、
この異常気象(?)のためだろうか。
 
近くを道幅の広い国道が走っている。
なんとなく殺伐とした景観のすぐそばに、
こんな場所があるのが不思議だ。
柳沢さんご夫婦には感謝。
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このページは、管理人が2011年9月19日 22:28に書いたブログ記事です。

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