01月16日 鳥羽の海峡へ

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午後、カモメ丸で海に出る。

澄んだ空、凪の海。

岸壁近くでマナマコをとる人がいる。

海峡には数隻の釣り船が"流して"いる。


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潮通しのよい海峡のなかほど、研究所の養殖網がある。

お二人が引き上げた

養殖用の網にハバノリがびっしり。

ケノリ(カヤモノリ)はまだついたばかり。

それにワカメ。


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ハバノリの養殖は各地で行われている。

ちなみに島根県でも『水産技術センター内水面浅海部』が

『出雲市わかめ養殖研究会』とともに養殖に取り組んでいる。

でも、ケノリの養殖はここだけだと思われる。

静岡県民が大好きな「菜海苔」が安く、

おおいに食べられる日も近い?

 

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小さな入り江でカヤモノリの自然群落を見る。

まだ藻体が小さいが、2月、3月になり

朝方に潮が引くようになると、

ここでケノリをつむのだろう。

これを板状に干したものを「麦わら海苔」、「菜海苔」という。

沼津魚市場ではばくぜんと「愛知から来る」と聞いた。

ケノリの"集積地"が愛知にあるのかも知れない。

これも課題だ。

 

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磯場に移動。

坂手島の民家のない斜面にある岩場に船を近づける。

潮通しのよい「釣れそうな」磯である。

波打ち際にはヒジキがびっしりとつき、

舳先に腹ばいになり岩尾さんが採取してくれる。

箱眼鏡で見る漸深帯に生えるサガラメの群落が豊かである。

御前崎などでは磯焼けでサガラメが激減していると聞くが、

対照的な状況ではないだろうか?

これも岩尾さんにサガラメを採取していただく。

サガラメは名前の通り、相良(静岡県牧之原市)から

紀伊半島にかけて見られるコンブ科の海藻だ。

コンブ目のなかでもサガラメとアラメのアラメ属、

クロメのカジメ属の食文化は

なかなか調べられそうで、調べられないもの。

ここでサガラメを得て、種を確認できたので、

一歩前進できたことになる。


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引き返す船の左舷、鳥羽の海峡にたくさんのスナメリが泳ぐのが見える。

思った以上に泳ぎが早く、群れも大きいようで、

小波の上に黒い影が無数に浮き上がる。

 

研究所近くで、またナマコ取りをしている人を発見。

これがなんとものどかでいい景色だ。

 

事務所にもどり斉藤さんからの

鳥羽市内での様々な食文化の話、漁の話。

岩尾さんには海藻のことなど教えていただいた。

まことに充実した時間であった。

あまりに楽しい時間に、

鳥羽に通ってしまいそうだ、なんて思う。

蛇足になるが、市が水産研究所を持っている

というのはすごいことなのである。

しかも海藻類に関しては、出色の研究所というのもすごい。

鳥羽市、やるなー! と思う。

 

帰宅後、ここで大きな勘違いをしていたことに気づく。

お二人がなんども話していた『海の博物館』を

千葉にある『海の博物館』と取り違えていたのだ。

鳥羽市にも『海の博物館』があり、調べれば調べるほど

立ち寄らなかったことが悔やまれる。

 

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最後に向かって左が『鳥羽市水産研究所』の

斎藤洋一さん、右が岩尾豊紀さん。

お世話になりました。


鳥羽市


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このページは、管理人が2013年1月27日 08:26に書いたブログ記事です。

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