とりとめもなくここ数日のこと。
年末から新年を迎えて、厳しい毎日が続く。
ほとんど外出すらできない。
昨日は正月一日であるのに机にへばりつき、
疲れると江戸時代の古典を読んだ。
まことに水産関係の本を作るというのは難しい。
今、作っているのが「すしの本」。
江戸前握りを中心に調べ始めてすでに10年以上。
撮影枚数が数十万枚にもなるが、保存枚数は何枚くらいあるのだろう。
写真整理をしながら、校正を進めるので時間がかかる。
ページ立てにも、悩み、悩み、そして苦しんでいる。
最後の段階にあるので、がんばるしかない。
さて、新年に必ず見るのがHNKの「さだまさし」。
年越しには画像の整理をしながら、何となくこれを見るのが、
ここ数年のおきまりになっている。
考えてみると2002年からずーっと、
正月はたまった画像と資料の整理をしている。
水産に関するものを調べ始めると、
最初の10年くらいは、せいぜい千の単位でものが見えてくる。
その壁を越えると数万になり、
ボクの場合30年を超えたときにビッグバンが起きて、
自分のデータベースが最底辺にいるのを思い知った。
このとき心がボロボロになったのだよなー。
ボクは鈴木晋一という人を尊敬してやまないのだが、
この人の本を読み返すたびに自分のくだらなさを感じる。
せめて鈴木晋一さんの足下にでも近づきたい。
そんなことを考えながら、ここ数日朝方に酒を飲んでいる。
肴は沼津の菊貞・山丁 菊池利雄さんに送って頂いた「潮かつお」。
安良里の『魚武水産』さんが作ったもので、名品である。
沼津や伊豆半島周辺で作られている「塩かつお」は
塩漬けにし、半月以上陰干しにしたもの。
年末に飾り、正月に切って食べる。
サバ科のカツオが代表的なもので、
ソウダ類、スマ、ハガツオなどでも作る。
今回、カツオとともに入っていたのがハガツオ。
カツオのうまさは、ボクなどが折り紙をつけなくても天下一品だが、
ハガツオもビックリするほどの美味であったのだ。
薄くスライスしてスダチというのが、
まことに言葉をなくすうまさであったし、
軽くあぶってお茶漬けというのもよかった。
白々と明るくなってきた正月一日の朝、よく二日の朝。
やけに深酒をしてしまった原因はこの佳肴にある。
とりとめない一文の最後に、
山丁さん、『魚武水産』さん、
毎年毎年「潮かつお」をありがとうございました。
あけましておめでとうございます。
また厚誼をいただいている皆様にも、
あけましておめでとうございます。
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