「切り身屋」の研究事始め02 基本編

0

sakeda001.jpg


魚を単に切り身にするだけと書いたが、

実際に見てみないとその技のすごみはわからない。

現在の「切り身屋」が扱うものの多くが

塩漬け(塩鮭)、冷凍品であるが一般人が

この半身を見ると呆然とするはず。

適当に切ればいいと思って切ってみると、

はじめの一刀からもてあますだろう。

意外に丸のままの魚は始末が悪い。

 

例えば『興実水産』で秋鮭の塩物(塩鮭)を1本買ってみる。

「切り身屋」で半身は夕食用に、半身はお弁当用にとお願いする。

「切り身屋」はやにわに1本の塩鮭を取り出すや、

きれいな水にドボンとつけ、

表面の汚れや油(脂というよりも)を落として、

後は5〜6分で頭、かまをオマケに

合計34枚の切り身にしてくれる。


sakeda002.jpg 


sakeda003.jpg


sakeda004.jpg


sakeda005.jpg


sakeda006.jpg


最近、思うのだけど、実は特売などで

「わけあり」の塩鮭を買うくらいなら1本丸ごと

「切り身屋」で買った方が安いくらいなのだ。

 

家庭内での食事用は1切れ85グラム前後、

お弁当用には60グラム前後で、きれいに並ぶ。

これぞ職人技というもので、年期がものをいう。

実は近年、これができる人は急激に減少している。

機械化したマクロの流通は大手スーパーに任せるとして、

零細、中小の流通の世界としては

この手業が生きる業界に目を向けて

初めて明日があると思うのだが。


八王子綜合卸売市場


このエントリーをはてなブックマークに追加

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://blog.zukan-bouz.com/mt-app/mt/mt-tb.cgi/3078

月別 アーカイブ

このブログ記事について

このページは、管理人が2013年6月21日 07:55に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「「切り身屋」の研究事始め01」です。

次のブログ記事は「7月2日、たまには市場便り」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。