7月12日金
姫路駅〜岡山駅までは新幹線。
山陽本線で笠岡へ。
まことに慌ただしい旅だな、と思うが、
一般人であるボクが水産物を調べる場合、すべて自費なのである。
当然、旅には目的を詰め込めるだけ詰め込むしかない、のである。
かの宮本常一も、渋沢敬三の援助は受けていたはずだが、
多大な犠牲のもとフィールドワークを遂行していたはず。
比べるにボクの方は、まだまだ歓楽的だな、なんて思う。
笠岡駅に隣接するショッピングセンターでサンダルを買い、食品を見る。
野菜ではシロナがあるが、他にはあまり見るべき物がない。
加工品では境港からのニギスの干もの、
徳島からカツ(最近ではフィッシュカツ)が来ている。
鮮魚はさすが岡山県で独自性が高く、おもしろい。
今回、意外に瀬戸内海の最奥部にイボダイが多いのを知る。
ギギ(ヒイラギ)、バリ(アイゴ)、ギザミ(キュウセン)、
ママカリ(サッパ)、メブト(テンジクダイ)、ベイカ、
真イカ(シリヤケイカ)、モンゴウイカ(カミナリイカ)は
岡山県産というか地元のものだろう。
赤シタ(イヌノシタとアカウシノシタらしい)切り身が
1パック500円前後もする。
和歌山県産のイサキは小振りが2尾で580円。
地元の「オオゾウエビ」というのはヨシエビかな、
とよく見るとモエビのようである。
旅の途中なのであきらめたが、後悔が残った。
後悔と言えば、せっかくスーパーに来ているというのに集中力が欠けていた。
散漫で、頭が働かなかった。
駅前のスーパーをじっくり見て、
午後4時をまわってホテルにチェックイン。
明日、定置網を見せてくれる鈴木修さんのお宅にうかがい打ち合わせ。
6時過ぎにやっとシャワーを浴びて、新しいティーシャツに着替える。
夕食は自転車でホテルそばを右往左往する。
最初、駅周辺で夕ご飯をと思ったが、
むしろホテル周辺の方に飲食店が多いと聞いたのである。
ちなみにボクは「食べ歩き」が好きな人間ではない。
例えばあらかじめ、旅先の飲食店のことを調べる、そんなことはしない。
初めての街で行き当たりばったり、これがいいのだ!
地図を見ると笠岡駅あたりは古くからの陸地、
ホテル周辺は干拓地で新しい市街なのではないかと思う。
干拓を悪いことだと決めつけることはできないが、
本当に必要な干拓と意味のない干拓があると思う。
笠岡市にも広大な干拓地があるが、意味があるものなのか、否か、
ここ数年でわかってくる気がする。
広大な干潟は重要だと思うけどね。
笠岡も御多分に漏れず大きな通りにはチェーン店が並ぶ。
ホテルで教えてもらったのが
『妃富美(ひとみ)』、『かとう』という小料理屋さん。
『妃富美』は名前を聞くと怪しい限りだが、店は至って普通。
のれんの間から店内を見ると、
スナックにあるような赤い椅子があって、なんとなくスルー。
結局、名前も店の外観も普通の『かとう』にする。
この店、どこにでもありそうな店で、どうやらすしもあるようだ。
ネブトの唐揚げ、シャコ(土佐酢)、ベイカ酢みそ、げた煮。
生ビール2杯、冷酒1。
料理はいたって平凡、酒も平凡であるが、悪くはない、かな。
ホテルに帰り、そんなに強行軍でもなかったのに疲れを感じて
メモの整理もせずに9時にはベッドに入る。
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