市場でご飯・市場食堂: 2007年12月アーカイブ

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 大都魚類での反省会の後、8人で二次会へ。ボクが築地の怪人、つきじろうさんにリクエストしたのが「多け乃(たけの)」である。私が初めて築地に足を踏み入れてはや30年なのであるが、飯を食うならこの店がいちばんうまいと思っている。この思い込みなど、毎朝築地で3食は食べている、つきじろうさんには“お笑い”かも知れないが、とにかく「魚のうまい築地の店」というと場内にはなく、この店が浮かんでくる。

 問題は過去に定食しか食べたことがなく、ビールはともかく日本酒が飲めるのかが不安だった。そんな不安は、つきじろうさんがすぐに払拭してくれる。さっそく『多け乃』の二階を予約して、場外に出る。ここでヒモマキバイさんは忙しそうに「明日の宴会用の魚が足りない」といってもう一度場内に。
 途中、場外の「三軒屋」で血合いありのかつお節を買い込む。この店はお願いしてから削ってくれるし、店の人も親切。この日、古草さんと、キヌバリさんが一緒で、店のオジサン、あんまり2人が美しいので、ボクが削ってもらった残りをプレゼントしていた。

『多け乃』は晴海通りから路地を入ったところで、なかなか見つけづらい場所にある。しかも方向音痴のボクは過去に晴海通りからしか来たことがなく、鮟鱇さん船頭で路地裏に突然みつけたときには別の店かと思った。しかし中に入ると、いつものようにたくさんの品書きの紙が下がり、そこから階段をトントンと上がると、ヒモマキバイさん、つきじろうさんたちが待っていてくれた。既にカワハギの刺身などが注文されていて、つきじろうさんが馴れた手つきでコップを配り、ウーロン茶を冷蔵庫から出して、どんどん机の上を宴会らしくしていってくれる。そして乾杯してのビールがうまいね。

 さて、料理はなにがいいだろう。考えるまでもない。名物の天ぷら盛り合わせ、刺身盛り合わせに、煮つけに、ポテトサラダ。

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 二階にいるのは我々だけで、従業員の方はいない。どうやって注文するのか? というのを、つきじろうさんが説明してくれる。それは階段を上がって冷蔵庫の真横。そこに塩化ビニールのパイプがあって、そこに紙切れに書いた注文を入れるというわけだ。それが一階についてからの段取りもいいのだろうな。刺身も天ぷらも、ほどよい間でやってくる。この素早さこそいい店の最低条件なのである。

 大皿に盛られた刺身。墨いか(コウイカ)、メバチマグロの赤身、なかずみ(コノシロの15センチ前後)、わらさ(ブリの50センチ前後のもの)、あわび(メカイアワビかな?)はなんとなくわかるが白身が難しい。ヒラメ、ホウボウ、そしてもうひとつがどうしてもわからない。ひょっとしたらマトウダイかもしれない。やはり白身というのは難しい。

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 どれも鮮度が良く、吟味されている。また赤身がうまいのは特筆すべきかも。

 長太郎さんとは利根川の話、古草さんの絵、話題は尽きず、酒がクイクイ進むほどに楽しいな。(でも、帰り着いたら、何を話したかぜんぜん憶えていない)

 次にまたまた大皿三枚の天ぷらがくる。穴子(マアナゴ)にシロギスに、かき揚げ。このかき揚げが丸くネギ一杯で、中にはイカらしいものが入っている。天ぷらもカラリと揚がって、軽い味わいなのがさすがだ。

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 そこに真っ黒な煮魚。ヒラメの頭などいろんな魚のアラが放り込まれ、ざっかけなく煮つけられている。煮汁の黒さとは裏腹にさっぱりした味わいなのも、技ありだね。

 たくさんおしゃべりし、皆さんと仲良くなり、ビールも冷酒(伏見の『富翁』)も机に並びきらないくらい飲み、うまいものてんこ盛りで満足度200パーセントの宴となった。これで支払はひとり4000円ほど。やはりボクは築地じゃ『多け乃』がいちばんだな。改めて思うのだった。

 蛇足ですけど、ぼうずコンニャクは一度一緒に酒を飲んだ人は親戚になるのだ、と思ってしまうクセがある。ということで今回も親戚が増えたなー!

一日十食、つきじろうさんの『春は築地で朝ご飯』
http://tsukijigo.cocolog-nifty.com/blog/


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

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