おでんに最高 モスソガイ

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 初めて青森に行ったのは青函トンネルの開通の年、1988年のこと。中でも面白いのはモスソガイの串刺し。モスソガイを丸ごとゆでて、べろーんと伸びた足に串を刺し通している。あんまり見事なので見とれていると。
「いでんつぶ(最初の言葉が聞き取れない)っていうんだよ」
 真っ赤なホッペのおばさんが薄暗く狭苦しい市場の端っこから教えてくれる。その市場は青森駅前にあり、真新しい建物もあるのだが、これが山盛りになっていたのは古めかしくも謎めいた空間であった。煌々と光る裸電球が照らし出す、モスソガイの串刺し、サメの頭、巨大なマダラの尾が店の大から垂れ下がっている。この情景のなんと魅力的なことか。今は建てかえられてすっかりきれいになったという青森駅前市場、きっと北国の良さはないのだろうな?
 市場を歩きながら「いでんつぶ」とはなにか? と友と話した。「遺伝つぶかな」いや「“いでん”という地名があるのだ、と結局それがわからないままに青函トンネルをくぐったのだ。それからまた2年ほどして青森に行き、それが「おでんつぶ」なのだと知った。おばさんは我々に「おでんに入れるとうまいよ」とでも言いたかったのだろう。
 確かに煮ても硬くならないモスソガイはおでんや煮つけに最高の味わいを発揮する。また「べろつぶ」とも呼ばれているのが長い軟らかな足を舌に例えているのだろう。
 この貝がいちばんうまいと言う旬がわからない。それでもあえて冬の季語としたいのは、「おでんつぶ」という呼び名からである。

青森の冬の市場におでんつぶ(ぼうずコンニャク吟)

ぼうずコンニャクの俳句はあくまでシャレですからバカにしないでね!

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このページは、管理人が2005年12月22日 11:13に書いたブログ記事です。

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