2006年2月17日アーカイブ

 立春を過ぎても季節は春とはならない。むしろ東京湾猿島回りには寒風が吹く。そんな春未だ遠しの海に出てワカメをつみとってもらった。面白いのはワカメをつむだけで春めいて感じられるのだ。
「ワカメを干すときは寒い海風が欲しい」と三浦のワカメ養殖をする人に聞いたことがある。すなわちワカメとりの最盛期は寒さも頂点となった2月なのだ(今年の寒さは別)。それなのにワカメに春を感じるのは若竹煮のためだろう。でも生ワカメのうまい2月に竹の子なんてあるわけない。それでも市場には竹の子があるのだけど、これは九州からの促成もの(この言葉は江戸時代からあるはず。間違っているかな)、もしくは中国産である。
 生ワカメが硬く長けたときにやっと出てくるのが地ものの竹の子。しかも走りである。3月、4月となって名残の生ワカメは硬くなり苦みを持つ。これを一度ゆでこぼして(苦みがあるので)竹の子と煮るのもいいだろう。ただ、ワカメは干したものの方が味はよい。徳島は鳴門の糸わかめを使った若竹煮が本来の我が家風である。それでも到来した生ワカメに工夫を凝らしてみた。
 東京湾横須賀のワカメは軟らかいのが特徴。徳島育ちには思いも寄らなかったのはこの軟らかなワカメの味が素晴らしいことだ。そして煮るのではなく、熱い煮汁にワカメを入れてすぐに火をとめる。煮浸しが生には向いている。竹の子は我が家の家計に響かない中国産。しっかりアクを抜いたもの。
 竹の子の苦み、ワカメのまったりした旨味、海の風味。天盛りにする木の芽がないので脇役で中国野菜のコウサイタイを使ってみた。出来上がって、これでは料理屋の料理ではないかと反省したが、うまいので良しとする。

寒風を 一瞬とめる 若布刈り(秋野まさし)

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ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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 どうも最近、夜になると集中力がなくなり、眠くなってしまう。それで早寝、また深夜に起きて、再度眠るという変な生活リズムが出来てしまっている。その分、余計に夜の時間が増えてしまっていて、明らかに一日の作業量が減っている。この最悪のパターンはハードな旅で変えることが出来るはずだ。

 6時過ぎからメール・掲示板のチェック、ブログ用の日記を作成。寿司図鑑作成に苦闘している。明らかに文章がマンネリ化、作成していて面白くないのだ。
 早朝のラジオはトリノオリンピック、スピードスケートの●●さんの入賞を告げている。冬季オリンピックは入賞すると大きなニュースとなるんだな。考えてみるとオリンピック選手の名前がひとりも浮かんでこないのにも驚く。

 朝食は焼きとん(末広風)、新巻時鮭、ナガニシの辛子酢みそ、トマト、水菜のみそ汁、ご飯。ナガニシの辛子酢みそを朝から食べてしまって、家族に「夕食みたいだ」と言われる。父ちゃんは「なんでも積極的に食えばいい」と思っているのだ。これを食の多様性と呼ぶことにする。

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ナガニシは広島では刺身で食べることが多いと、倉橋島の日美丸さんが教えてくれた。我が家では貝殻から出して、ワタをきれいに洗い流してゆでて、酢みそ。辛子酢みそにしたいのだが我が家は超子だくさん。味は子供に合わせている

 市場からの帰途、銀行に寄り、また車内にたまったゴミやカーナビのオプション類の整理などする。帰宅は10時半。市場にいる時からケータイがなりっぱなし。どうして今日はこんなに人気があるのだろう。一日に一度もケータイがならないという日もザラなのに。
 午前中、寿司図鑑。雑事、雑事。天災を恐れていちばん不愉快な子供関係の雑事。画像整理・保存、膨大なメールの返信。気がつくと2時になっている。

 お茶漬けをかき込みながら愛知県蒲郡形原漁協、一色漁協に漁の模様を聞く。最終的に4時に明日、愛知に行くかどうか決定することにする。そして4時、三河湾での漁がほとんどないことが判明。金曜日の三河湾行きは取りやめとする。そして、とりやめの連絡にかかる。しかし今年は立てる計画すべてがつぶれている。後は土曜日、日帰りで行くかどうかである。また我がサイトの協力をしていただいている一色『毎味水産』藤井社長にはご迷惑をかけた。

 午後、サワラの幽庵漬け、酢締めを作り、これを撮影。ニジカジカの撮影。雑事、寿司図鑑作成。寿司図鑑はやはりうまくいかない。

 25日のシンポジウム『国境を越えた干潟への想い 韓日の素晴らしい自然・食・文化を未来へ』用のプロフィールを書こうとして、考えてみると我はいったい何者と考えると混乱する。ぼうずコンニャクではダメなのか。ただ秋野まさしにしてみるか?
●『国境を越えた干潟への想い 韓日の素晴らしい自然・食・文化を未来へ』の詳細は
http://www.zukan-bouz.com/tokubetu

 夕食はサワラの刺身、酢締め、頭の煮つけ、鶏のナツメッグ焼き(保存していたナツメッグの香りがなくなっている。冷蔵ではだめであるようだ)、サラダ、湯豆腐。

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毎年、この時期に大振りのサワラを買っているが、毎年同じようにサワラのうまさにノックアウトされている

 食後、ぼんやりする。どうしてもこの時間に頭が働かないのだ。我ながらぐうたらであるな。


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 しとしと雨が降っている。なんだか寂しい朝である。それでも八王子魚市場場内には活気がある。そんな中、八王子のそば屋「まつ浅」が駆けている。そして近海には福岡から小さなマナガツオ(このサイズは中華で揚げてあんかけに使えるので意外に人気)、サワラ。そろそろサワラが最盛期。また外洋が荒れているためか内湾に多いスズキが目に付く。
 そんななか特種に今年初物のシロウオ(素魚)。佐賀県唐津の「飴源」からであるのは当然のことだ。

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佐賀県にある川魚料理店『飴源』は関東の市場で見る限りシロウオ(素魚)の最大の荷主である

 他には能登半島富来港からカゴ漁での甘えび(ホッコクアカエビ)、抱卵しておらずとても鮮度がいい。

 八王子綜合卸売センター『高野水産』には宮崎から3キロクラスのサワラがたっぷり。鮮度的にも身の手触りでも最高級のもの。なのにキロ/1500円は安い。思い切って買ってしまう。他には鍋こわし(トゲカジカ)、ニジカジカ。ニジカジカは撮影用と握り用に2匹購入。
『市場寿司 たか』でサワラとニジカジカの握りを撮影。サワラがうまいうまいうまい。たかさんのあまりの旨さににやついている。気持ち悪い。


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