まだ寒の内、旧暦の大晦の日に見つけたのが北海道は礼文島のニシン。腹に触ってみると丸く乳房のように膨らんでいる。これは買いだな、と2匹だけ持ち帰って晩酌の友とした。目当ては「数の子」すなわち卵巣である。ワックスエステルなどの油分に微かな苦みがあるのだろう、これが味わいを深くしている。そしてほろっとした甘さ。脂があるので身も表面が揚げ物のように香ばしい。
春は未だ遠いが、この味わいに北国の海の移り変わりが見て取れる。春の季語だな子持ちのニシン。
ニシン焼き 腹に孤島の苦み 子を放て(秋野まさし)
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