やはり中日(水曜日)の市場は寂しい。普通、週初めと週末では、週末の方が商店、スーパー、飲食店の売れ行きがいい。そして日曜を休日にしている商店飲食店が多い(これは個人商店最大の弱点。明らかに、これがために個人商店の衰退を招いている)。すると間違いなく月曜、木曜には鮮魚生鮮品を仕入れに来るわけであり、週3回仕入れるか、2回仕入れるかに分かれるのだが、水曜日がぽかりと開いてしまう。またなぜだかわからないが日曜に次いで水曜定休日という商店も多く、これも不思議。
八王子魚市場、仕入れる人影まばらななか北海道室蘭からアカガレイ(アカガレイは裏側の目のない方が赤く血走っている。その赤味が強い方が鮮度がいい。産地は日本海、北海道が多く、値段はやや高めである。煮つけ、塩焼きで美味)。
青森県からメバル(市場では「黒メバル」と書いて「赤メバル」「沖メバル」と呼ばれるウスメバルと区別される。主に浅い岩礁域に棲息している。値段は高い。煮つけ、塩焼き、小型は唐揚げ)。
特種に赤いか(ケンサキイカ ヤリイカ科のイカ。アオリイカ、ヤリイカとともに値のいいイカ。もちもちっとした食感、甘味が特徴。産地はやや温暖な海域。産地は山陰、九州が多い)、ヤリイカ(晩春から初夏まで限定的に入荷してくる。北海道では「冬いか」なんて呼ばれる。高価なイカ)が混ざった入り合い(何種類かの魚貝類が混ざって一箱に詰められている)。これは珍しいがどうも築地でヤリイカを加えたものであるようだ。八王子魚市場の場合、親会社が築地の荷受け5社の東市なのでこんなことが起こる。
鹿児島県串木野「大竹商店」からカンパチ(ブリの一族である高級魚。養殖されていてこれが寿司ネタなどでは定着している。最近は天然の小振りのカンパチを嫌う寿司屋も多く難しいもの。値段は高い)。
静岡県由比町からサクラエビ(東京湾、相模湾、駿河湾などに棲息する小型のエビ。ただ漁獲的にまとまるのは駿河湾のみ。駿河湾でも漁業権の問題で蒲原、由比、大井川町などが産地。鮮度がよければ生、また天ぷらに向いている)も入荷している。
山口県萩からはエチュウバイ(これはカガバイとの区別がどうしてもわからない。富山湾のものだけがカガバイというのだろうか、市場ではともに「白ばい」。主に煮るのだが、刺身にしても美味。産地は山陰から三陸。韓国産もよく見かける)
『源七』には見事な生ばち(メバチマグロ マグロの価格ランクはクロマグロ、ミナミマグロ、メバチマグロ、キハダマグロ、ビンナガマグロの順。メバチマグロはスーパーや魚屋、また寿司屋が仕入れていく。ただ生は高く、寿司屋、魚屋などでも値のいいもの。この生のメバチはうまい!)
メバチは千葉県銚子、東北宮城県、九州は宮崎県油津などからの入荷が多い
鹿児島県串木野から、いなだ(ブリの30センチから50センチほどのもの。関東では「わかし」「いなだ」「わらさ」「さんぱく(これは釣りの世界だけの言葉かも知れない)」「ぶり」。冬に美味)
八王子綜合卸売センター『ケン水産』には北海道増毛遠藤水産から甘エビ(ホッコクアカエビ)。『総市水産』には静岡県焼津からゴマサバ(「丸さば」とも呼ばれる。マサバと比べると血合いが多く、脂が少ない)。
『高野水産』には、きびれ(キチヌ クロダイとともにヘダイ亜目の魚。クロダイよりもやや温暖な海域に棲息する。近年入荷が多い)。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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『市場寿司 たか』で考える