睡眠不足も限界に来ていて、頭がぼわ〜んと幻聴も聞こえてくる。とぼとぼと歩く駐車場脇に諸葛菜(しょかつさい)の紫が美しい。クルマに乗り込むとやたらにフロントグラスが汚れていて気になるが外にもう一度出て拭く気になれない。
八王子魚市場、場内に入って驚いたのは、まったく荷が置かれていないこと。この寂しいコンクリートの床に真っ黒なアサリ【マルスダレガイ科の二枚貝。北はサハリンから北海道、本州四国、九州、朝鮮半島、中国まで棲息する。我が国では棲息域である干潟の減少のため漁獲量が減っている。その減少分を補っているのが北朝鮮、中国産、また韓国産。ただ韓国の乱開発の動向が気になる。味わいは二枚貝でももっともよく、値段も手頃。我が国での産地は北海道厚岸、東京湾内房、浜名湖、三河湾、有明海】。これが『源七』にまわると千葉県内房産のアサリ。ともに大きくやや平たい【アサリは厚みのあるものよりも平べったい方が身入りがよいとされる】。
我が国の役人、政治家さんは、もっとも身近なアサリの減少すら本気になって対処しようとしていないのでは? どうもこれは自然保護や資源管理などでは票も稼げないし、利権も手に入らないからであるようだ。自然保護に感心のある政治家っているのだろうか? いたら一票あげるけどな
市場魚貝類図鑑のアサリへ
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/heterodonta/marusudaregai/asari.html
また大分県佐賀関から「豊後のさば」とラベルが付けれれた活け締めのマサバ。これは「関さば」なのか違うのかあんちゃん困り顔。
「ほんとうに、どうしたの荷がまったくないじゃないか」
「そうなんすよ、川崎でも場内がガランとして、注文分も確保できなかたんすよ」
八王子綜合卸売センター『ケン水産』で立ち話。
八王子総合卸売協同組合『コリアフーズ』でエゴマ【日本全国で栽培されていたシソ科の野菜。戦国時代から江戸時代中期までは食用油をこの植物から主にしぼっていた。それが江戸時代初めから徐々に菜種に代わる。葉を食べるほか、身はゴマのように摺ったり、煎ったりして食べる】の醤油漬け。
韓国のエゴマやとらじなんて、食卓に一品あると楽しいぞ!
八王子綜合卸売センター『総市水産』にはカンテンゲンゲ【げんげとしか箱書きされていない。これは三陸産。非常に水分の多い魚であり、唐揚げにして非常に美味。他には水分が多いので煮つけぐらいにしかならない。また吸い物にも出来るが鮮度によっては生臭い。その場合、ふりショウガを】。
市場魚貝類図鑑のカンテンゲンゲへ
http://www.zukan-bouz.com/suzuki/gengeamoku/kantengenge.html
また鮮魚が少ないので「とろがつお」【カツオの一番脂のある時期に漁獲した物を船上凍結したもの。「とろがつお」は当然商品名】が出ている。
気仙沼「ほてい」の商品
『高野水産』も荷が少なく天然ヒラメやキンメなどもやや鮮度が今イチ。さすがのハッスル社長も荒天には勝てない。そんなときにもあるのが、まつぶ【エゾボラ 「Aつぶ」とも呼ばれる。北海道に棲息するエゾバイ科エゾボラ属の巻き貝。主に刺身にされる。また唾液腺にはテトラミンが含まれるので取り除く必要がある】。
エゾボラは身色も美しくエゾバイ科ではオオエチュウバイにつぐ高価なもの。貝殻を割らないでも身が取り出せるので人気がある。
市場魚貝類図鑑のエゾボラへ
http://www.zukan-bouz.com/makigai/ezobai/ezobora/ezobora.html
八王子綜合卸売センター『八王子淡水』に立ち寄ると、すでにウナギ割きが終了している。作ったばかりだという大ヤマメの剥製を見せてもらう。考えてみると渓流釣りの季節になってしまっている。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
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