八王子魚市場内、源七に着いた途端目に飛び込んできたのが見事なトリガイ。食べたいなと源七の若だんなの方を見る。しかしうまそうなトリガイ、ついつい手が伸びるだろう?
きっとそんなの見え見えなんだろうな、近寄っただけで若だんなが
「これ1個150円はするかな」
こ、これは独り言ではない。警戒線のひとつである。でも小さいのならいいかなと思った途端に、あんちゃんが「金払えよ」とにらむ。買ってもいいんだけど、これがあるとついつい酒が欲しくなる。毎日酒を飲める体調でもなく、寂しく諦める。あんちゃん、もっと優しくなろうね。
トリガイは貝殻から取り出す、そして大きいのは開き、小さいのはワタをきれいに取り、そして軽く湯がく。そして最後にそーっと水分をきる。その間、いかに足の部分に触らないか、当然こすらないか、とこの作業が繊細なのだ。これはトリガイの黒い表皮が非常にもろく、軽くこするだけではげてしまう。しかも値段が「いかに黒いか」できまるため貝の町船橋っ子の若だんなをしていつになく真剣にさせているのだ。でも1個くらいいいんじゃないかな。
江戸前のトリガイは今が旬、そしてもうすぐ終了。
市場魚貝類図鑑トリガイへ
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