甘エビ学 事始め02 ボタンエビ

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 ボタンエビを食べたことがある人は少ないのではないか? 「そんなバカなときどき寿司屋で食べているよ」という方が食べているのは間違いなくトヤマエビである。実際に築地などを歩いていても「ぼたんえび」と呼ばれているのはトヤマエビなのであって、ボタンエビではないのだ。
 面白いのはあまりお目にかかれないボタンエビが十数年ぶりにたくさん入荷したのが2003年。このとき多くの仲買が「これがボタンエビである」ということがわからなかったはずだ。知っているのはエビを専門に扱う店の店員のみ。
「なんだか色合いの悪いエビだな」
 値付けに苦しんでいる仲買を実際に見ている。

 さてこのボタンエビであるがだいたい宮城県以南の太平洋、東シナ海までの深海に棲息する。色合いはやや黄色みが買ったオレンジ色。ここに紅のボタンの花びらを散らしたような文様がある。銚子から茨城にかけの底引き網、東京湾、相模湾、駿河湾でのエビカゴ漁、駿河湾、熊野灘などでの底引き網でそこそこに漁獲されていた。それがすぐに資源が枯渇。今では銚子、駿河湾での底引き網で少量揚がるのみ。当然、日本海側である程度の漁獲量を誇っている「ぼたんえび(トヤマエビ)」と比べるとなかなか市場でも見かける機会は少ない。
 味わいは甘エビ(ホッコクアカエビ)よりも甘味は少ないものの、ブルッとして食感があり、非常に美味である。また身に含まれる水分量があまり多くないので焼く、煮るなどの料理にも甘エビよりも向いている。
 価格はやはり甘エビの仲間では高い方で最低でもキロあたり2500円、高いと10000円くらいする。当然、小売りではなかなこれを扱える店はなく、主に寿司屋、高級料理店で味わうことになる。

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銚子産ボタンエビ。築地場内にて

市場魚貝類図鑑のボタンエビへ
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このページは、管理人が2006年7月22日 16:49に書いたブログ記事です。

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