つぶ学事始め10 真つぶ(エゾボラ)について 刺身つぶ03

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 刺身つぶ=エゾバイ科Neptuneaであるというのを書いた。この仲間の特徴は足の上部にある唾液腺にテトラミンという毒を持っていること。その代表格が標準和名のエゾボラである。市場では「真つぶ」もしくは「Aつぶ」と呼ばれている。当然、この呼び方は北海道での呼び名を踏襲している。
 もともとは北海道ならではの貝であったのが今では都市部では普通に見られるようになっている。関東の市場で見る限りエゾボラがないときはないといった現状である。
 産地は噴火湾から根室までが多く、また中でも様似、樽前、厚岸などからは毎日のように入荷してくる。
 値段は刺身つぶのなかで最も高く、卸値で1400円から3500円近くする。大きいものほど高く、だいたい1個200〜300グラムなので安くて250円、高いと1000円以上することもある。

 この刺身つぶの仲間も見分け方が難しい。エゾボラの見分け方をまとめると以下のようになる。
1 貝殻の各層が角張っていて表面がほころびて板状にせり出している。
2 貝殻がやや薄い。
3 貝殻の内側を見るとオレンジ色であり、透明感がある。

 さて、どうして真つぶが「刺身つぶ」の中でいちばん値がいいのか、というとまずその色合い。刺身にする足の部分が白くやや黄色味をおびている。また塩もみ、もしくはぬめりを取り去って刺身にきる。この刺身の食感が適度によく、また硬すぎない。味わいも非常に良くて、爽やかな食感から夏にふさわしい魚貝類であると思われる。寿司職人によってはネタとして好む人も少なくない。
 これに加えて貝殻がやや薄いことも高値がつく理由となるだろう。例えばサザエと同じくらい。例えば同じように刺身で食べるボウシュウボラ(内臓は食べられない危険)と比べると遙かに薄い。同属のアツエゾボラ、マルエゾボラなどと比べても薄いのである。これは歩留まりからいっても優れているのだ。
 また過去に書いたがエゾボラ(刺身つぶの仲間はほとんど同様)は貝殻を割らないで身が取り出せる。これなら料理店で刺身の盛り合わせにつかったときにも見栄えがいい。

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コメント(2)

はじめまして、
以前青森で見かけたのですが、串に数個まとめて刺さった「串螺」なるものが市場で売っておりましたが、召し上がった事は御座いますか?

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鯛三さん、初めまして。青森で串に刺して売っているのはモスソガイだと思います。足の部分が大きく主に煮たり、おでんに入れたりします。美味ですね。この貝は意外に西日本でもとれるんです。別名「ぺるりつぶ」といって黒船を率いてきたペリーの名が学名に使われています。

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このページは、管理人が2006年7月20日 11:31に書いたブログ記事です。

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