つぶ学事始め12 エゾボラモドキについて 刺身つぶ04

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 市場でBつぶと呼ばれるもののなかにエゾボラモドキがある。太平洋側では鹿島灘、日本海側では丹後半島から北、北海道を経てベーリング海にまで広く棲息する。
 このエゾボラモドキの同定が非常に厄介である。エゾボラモドキの特徴は螺肋(巻き貝の周りを回っているひも状の隆起)が顕著でたくさんあること。また貝殻は茶色ではあっても茶褐色ではなく、当然焦げ茶色でもない。貝殻の内側はオレンジ色である。これを当てはめていくと様々な矛盾点が出てくる。「螺肋は多いのであるが細かくはない」という特徴が当てはまる。なぜなら螺肋が細かいものにチヂミエゾボラがいるからだ。また茶色一色であるが焦げ茶ではないというのは濃い茶色のものにクリイロエゾボラがあるからだ。そしてこの総てに中間的なものが存在する。だからそれらを総称して「Bつぶ」という言葉が生まれたのだろう。

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この2つはやや典型的なエゾボラモドキ

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これはチヂミエゾボラではないかと思われるがエゾボラモドキの箱に混ざって入荷。確信が持てないもの

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クリイロエゾボラだと思われるが、すこし怪しい

 産地としては厚岸、樽前など道東、福島などが多い。値段は真つぶ(エゾボラ)よりも安く、キロあたり1000円代前半。ときに値崩れしてキロ当たり600円なんて値がついていたりする。
 味は真つぶ同様によくて刺身にすると絶品だと思う。刺身つぶなので唾液腺はかならず取り去ってしまうこと。また小振りなものは焼きつぶにも向いている。


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このページは、管理人が2006年7月24日 11:23に書いたブログ記事です。

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