ある日、市場で「チーかま」というのを見つけた。「チー」はチーズ、「かま」は蒲鉾くらいはわかる。でも初めてじゃないだろうか、この食品。まじまじと見ていると通りがかったのが納め専門の魚屋をやっている青ちゃん。
「な〜に見てるの。なんだチーかまか?」
「これ知ってるの」
「なにを言ってんだよ、チーかまだろ、チーかま。子供の頃からあるでしょ」
そこへすし屋の若だんながきて、
「懐かしいな。弁当にはコレですよ」
なんと一箱買っていった。
パッケージを見ると「チーズ入りかまぼこ」とある。弁当にチーズを穴に詰め込んだ竹輪はあったけどこんなものは初めて見た。でも「ちーかま」という言葉は「ちーちく」とともによく聞くのだ。
まあとにかく買って帰り、じっくり晩酌に囓ってみた。「う〜ん、微妙な味だな」。うまいのかうまくないのかと聞かれると「うまいのかな」。甘めの蒲鉾にチーズが点々とあり、確かにチーズの香りがあるし、また乳製品の匂いも感じる。これは日本酒よりも酎ハイやビールに合いそうだ。
マルゼンのサイトを見ると昭和43年に「おらが幸」という不思議な名称で売り出したとある。でも四国では食べていないし、売っていなかったと思うな。
丸善
http://www.mrz.co.jp/products/che-kama.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
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