魚の塩焼きというのは一般家庭でもっとも作れない、作るに困難なものではないかと思う。例えばガス台の真ん中にある魚を焼くスペースだがあれは下に水を入れるためにやや蒸されてしまう。また別に電熱方式のものもあるが、やはりガス代の上に魚焼きの網をのせて作るものよりも劣る。そしてマンションではこれが無理なのである。我が家でも煙が気になって干物を焦げないように注意をはらいながら焼く程度。後は夜になるのを待って炭火でこそこそと魚を焼く。
当然水産加工品にも「塩焼き」があるのだろうと探したらすぐに見つかった。「東仙」というメーカーのもの。仲卸にきくと高級な干物を作るメーカーであり、味には定評があるというので、じっくり中身を見ないで買ってしまった。仲卸価格から考えると350円から400円くらいするのだろうか。
そして帰ってじっくり見るとノルウェーニシンのオスの焼き物であった。値段からしてもメスを使えないだろうし、身自体の味わいはオスの方が上。
裏側に「不要ですが、電子レンジなどで温めると、より一層美味しく召し上がれます」と書かれているのをみて、まず最初にそのまま食べてみる。これは確かにニシンの身の旨味・風味は感じられるものの、硬く締まりすぎている。そこで電子レンジで1分半ほど温める。確かにこれで「一層美味しい」くなった。でもこれが好きかと言われると「ノー」である。
塩焼きを買ったつもりであったのでより落差を感じたのかも知れないが、とってつけたような味つけがしているのだ。ちなみにノルウェーニシンの「塩にしん」をただ焼いたものは非常にうまい。国産に限るなんて言うのはおかしいのだ。この味わいに家人など「魚が嫌いな人には、この方がいいんじゃない」と言う。でも最近の子供などを見ていると塩焼きは意外に好まれている。それからするとニシンの表面にある醤油や味醂、砂糖の甘味・旨味って本当に必要だろうか? 晩酌の肴に食べていたボクはこのはっきりしないニシン表面の味つけが邪魔でしかたない。
「東仙」のホームページを見ていると(表紙はマックなので見ることが出来ない)サバやニシン、赤魚もあるようなのだが、赤魚などはこの味つけでいいかも知れない。こんどは赤魚を食べてみるかな。また最近なんでも「魚がし」とある商品が多い中、このメーカーは実際に築地に本拠地を持っている。これなら「築地魚がし」の文字も本物だ。
東京仙印商店
http://www.tosen.co.jp/index.htm
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
『市場寿司 たか』の朝の豪海投げ込み丼 後の記事 »
姫路市ヤマサ蒲鉾「鱧入りしょうが天」
釣り番組をDVDに録画しようとして、盤面に魚の画が欲しいなと思い、検索していましたらこのBLOGに出会いました。すごい。この一言です。これからも、毎日、拝読させていただきます。