ボクなんかのように怪しいオヤジは「こんなものに弱い(惹かれる)」というのが、多々ある。これはまだまだ多量の煩悩を捨て去れないで地上に蠢く有機交流電灯なのだから仕方がない。その煩悩の琴線に触れるものを見つけると「安い物なら」ついつい手が出てしまう。そしてそしてこれが食の世界にあっては「こんなものだ」と言うのが今回の焼きいかである。
これは八王子綜合卸売センター『フレッシュフード福泉』で見つけたもの。その名もずばり「焼きいか若大将」。この名を思いついた『扇谷』の方、間違いなく40代後半以上だと思われる。当然、加山雄三の『若大将シリーズ』1961年からのファンなんだろうね? また、この奇抜な名前、意外に受けを狙っているようで、スルメイカの小さい商品価値のないものをうまく利用している。その両面からうまく攻めている賢い商品である。
しかも食ってみると、実際に酒がすすむし、これまた子供達も横からかすめ取って行くくらいだから端的にうまいのだ。
余談だが青森県というのは東北といういかにも奥の細道のまた果てにありながら、どこか熱帯にも勝るとも劣らない異端の熱気というか自己表現力が満ち満ちていると思う。三上寛、そして棟方志功、太宰治、高橋竹山、青森県出身のアーティストは凄い人ばかりだ。青森県人には水産物の世界にもど〜んと青森のパワーを活かして欲しいものだ。
ヤマイチ扇谷 青森県むつ市大畑町鳥谷場178-2
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
2006年8月17日お盆明けの市場便り 後の記事 »
2006年8月19日(土曜)の市場便り