朝5時前、まだ真っ暗ななかクルマで南下する。相模原に入りセルフのガソリンスタンドで給油していたら、思わずブルゾンの袖を立てるほどに肌寒い。
町田を超えるとバイパスはもう渋滞が始まっている。246と交差するこの数キロの長いこと。かれこれ20年以上この道を利用しているが渋滞はまったく緩和されていない。無駄な道路を造るよりもこんな日常的な不便を解消しろよ、とお役人さんに申し上げたい。
今回目差しているのは横浜中央卸売市場。横浜駅の真東にあるというのはわかっているので、とにかく駅を目差せば行けるだろうと思っている。そのまま首都高に入り、横浜駅東口出口を下りる。そして東海道(国道一号)を北上すると目の前に「市場入り口」の標識。
横浜駅周辺の無機質な近未来的な高層多層な景色が右に曲がると一変する。古くさび付いたガード、乾物屋、八百屋とあって道路沿いには延々とクルマが止まっている。そして行き着いたところが市場であった。道の左に青果棟、右に水産棟。どこにクルマを止めればいいのかわからない。行き交うクルマ、人、ターラーと混雑の中心で途方に暮れる。仕方なくクルマの誘導をしているオジサンに聞くととりあえずその辺に止めておくといいと教わる。これがなんとも不安。
水産棟に入ると右に関連棟(食堂や雑貨、乾物など)、正面に駐車場があり、左が仲卸の店が続いている。そのまた左にあるのが競り場なのである。
仲卸の店を端から見ていく。
荷を見てもとりたてて横浜らしいものは見あたらない。小柴のタチウオ、シロギス、本牧とある箱にイボダイ。横須賀佐島のミシマオコゼ。タチウオがさすがに東京湾産でうまそうではあるが、ここでタチウオを買ってこなくてもいいだろう。少々さみしい。
また活けのヒガンフグ(市場では赤目)を見つけた。キロ/3500円は買えない値段ではない。残念なことにこれは売約済みであった。
場内では「伊勢三」という店が地物を多く置くという。
横浜で見る必要はないのであるが八王子には最近、「Bつぶ」が来ない。そんななかここには三陸のチヂミエゾボラ、根室から和名のわからないものなどがあった。じっくり見ようとしたら、親切心からだろう「つぶ」の説明をしてくれる。残念ながら関東の市場の仲卸でエゾバイ科に関しての知識を持っている人は皆無。まったく大間違い、もしくは幼稚な話を一生懸命にされると迷惑極まりない。
まったくミニ版築地とも言えそうなところであった横浜中央卸売市場。ここに来てみようと思ったのは横浜中華街へのケツギョや熱帯のハタ、コイなどを扱っているかもしれないと思ったため。残念ながらそれらしき気配すらなかった。あとは小柴、本牧、横須賀などの地物だが、それも本日は少ない。我が家から渋滞もあって二時間かかる。もう一度来る必要はあるのだろうか?
横浜中央卸売市場
http://www.iris.or.jp/~ysijouci/
最後に横浜らしい風景を。これも味わいのない建物ばかりだ。「みなとみらい」というらしい。こんな無機質で味気ないものに未来はない。だいたい昭和20年代、30年代のオヤジやオバハンが人口の多くを占める世の中になったはずだ。こんな幼稚なものは「いらん」と叫ぼう。ついでに、こんなもの作るヤツは大嫌いだ。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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2006年11月9日相模原綜合卸売市場便り