久しぶりに横須賀市佐島の新さんにケータイをいれた。漁の模様を聞くためだが
「今はあまり漁がないんですよ。これからですね。それとヒラソウダが多くて困っているんです。今時のヒラソウダはうまいんですが、海辺の人間はわかっているんですが、いざ築地などに持っていくと雑魚扱いです」
そんな翌日に同じ相模湾平塚までくるとまったくヒラソウダがとれていない。平塚と佐島では海上の直線距離からすると目と鼻の先ではないか?
不思議と言えば、八王子をはじめ三多摩地区、相模原などにとっていちばん近い海は相模湾なのである。相模湾であれほど珍重しているヒラソウダの味わいを内陸部ではまったく知らないのだ。これが交通事情の悪い昔の話だというのではない。
そんな平塚魚市場にも佐島からヒラソウダが届いていた。これを確保していたのが相模原綜合卸売市場の「デイトレード」である。
これを1本購入して相模湾冬の美味を堪能した。この刺身のうまさは何に例えようもない、間違いなくヒラソウダだけがもっている至味である。とにかく突出して舌を刺激するのが白く甘い脂である。その甘味のあとにはカツオよりも濃厚な赤身のうまさがくる。
ヒラソウダの旬は秋口からなのだが寒い時期になってからの方がより脂があってうまい。すなわちヒラソウダは秋の季語なのだ。
人として生まれて「ヒラソウダのうまさを知らぬ」のは不幸である。
市場魚貝類図鑑のヒラソウダへ
http://www.zukan-bouz.com/saba/saba/soudagatuo.html
佐島港のさかな建ち
http://members.jcom.home.ne.jp/shin-sajimakou/
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
荒川区東日暮里「魚正」 後の記事 »
千葉県九十九里町「塩田水産」のいわしのみりん干し