田向商店の「さめの煮つけ」を食べていて「あ! そうだ。これ気づかなかった」と思うことがあった。それは煮魚にネギが入っているのだ。また煮汁にもネギの風味が移っている。だからただでさえまろやかな煮汁が、もっと穏やかなものとなっている。なかなかこの味わいはいいもので、晩酌にこのまったりした穏やかな煮魚が合う。
ただし関東では鋭角的な味わいが好まれているように感じる。完全に醤油と砂糖とで甘辛く煮あげたものが多いのである。だから関東のオヤジ達がみなこのネギの甘味、風味を好むかどうかわからない。そしてこの青森のタイプは思い出してみると下町で出合っているのだ。
それで何人かの居酒屋のオヤジに聞いてみると誰一人ネギを入れるというひとはいない。そしてついでだから田舎の幼なじみにも聞いてみた。こちらもネギは入れない。「しょうがに決まっとるだろう」と言い切るのだ。でも確か秋田県でも長ネギの入った煮魚を食べた記憶がある。そのときには煮魚にネギを使っても「いいじゃないか」と気にもとめないでいたのだ。
そして下町のネギが入った煮魚の記憶はどこから来るのだろう。だいたい小岩に住んでいたこともあるので、下町での食事回数は非常に多い。
しかし、どうでもよさそうで、改めて考えてみると、その土地にしかないものもあるだろう。それが東北では煮魚にネギを臭み消しで入れるという習慣にも当てはまるに違いない。また煮魚にネギを入れる地域となるとわけぎを使う西日本は無理だろうから、長ネギを使う東日本に限られそうだ。これも調べてみると面白そうだ。
田向商店
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2007年1月9日(火曜)の市場便り
管理人さん
今年もよろしくお願いいたします
青森では長ネギを入れた煮魚は結構普通です。もちろん生姜も使いますが、青い魚の臭み消しに使うくらいで何にでも生姜を入れるというわけではありません。
商品化するとき生姜も考えたのですが、サメはそれほどくさくないし、入れるとあまりに普通の味になりそうでやめたのです。
食べ方は日本全国さまざまあります。
煮魚はこういうもの、という思い込みを取り払うのも食べ方のヴァリエーションが増えて面白いと思います。
青森の料理は基本的に調味料の味が前面に出ることがなく、どちらかというと素材の味を生かす方法をとっているように思います。
ネギ入れます(名古屋生まれ、東京育ち)
私は「オヤジ」じゃないですが・・・笑
むしろ、入れるのが普通かと思ってました。生姜も入れます。みなさんどうなんでしょう?
いつも楽しく拝見させて頂いております。
当方、京都在住ですが、例えば鯛のあら炊きには必ず牛蒡を入れますね。
なんだか、変なことが気になってしまって、ボク自体が変化も? でも改めて煮魚のことを調べると、意外に郷土料理の本には煮魚の作り方がのっていないんですね。また、田向さんのところの煮魚(さめ)の味わいは非常に穏やかな味わいで煮汁自体を飲むこともできますね。そしてそのときにふわりと浮かぶのがネギの香り。この香りになんだか東北を感じてしまったんです。 laseetaさんの煮魚にゴボウは関東では割烹料理屋などで普通なんです。また煮魚にゴボウはよくあいますね。
そしてmoonさん、名古屋でも、また東京でもネギ入れるんですね。本日朝、近所の居酒屋のオヤジにネギのことを聞きましたら、よく思い出せないけど埼玉でも入っていた気がする。だから時々店で作るときにも入れているということです。しかし煮魚の世界も深いな。
laseetaさんのおっしゃるのわかります〜!そうです、牛蒡を忘れてました。
私の秋田の親戚は、鯛のあら炊きに、ねぎと牛蒡と豆腐(焼き豆腐だったかも)を入れてました。牛蒡は味わい深くなってかなり良い感じ。
で、話のついでですが、その秋田の人は、すき焼きに「なす」入れてました(これがまた旨い!)「みず」を入れることもありました。
ちょっと出遅れましたが・・・
以前、クロシビカマスを煮た時にネギを入れたのですが、
何故そうしたのか思い出せません(^^; 単にネギが沢山
あったからかも。それはともかく、結果としてはなかなか
いい出来だったのではないかと思っています。
それと、正確には煮魚ではないけど、「ねぎま」が
マグロとネギですね。
moonさん、豆腐とネギというのは、魚の煮つけになるのかな。でも東北って汁と煮つけの区別があまりないのかも知れません。このあたり、秋田のなべ婦人にも聞きたい気分です。
また鮟鱇さん、葱鮪は汁、もしくは鍋でしょ。そしてクロシビカマス(炭焼き)は絶対に煮つけですね。この辺も深いものがありそう。
そうですね。イメージだと汁っぽく感じられるでしょうね。
でも、あれは間違いなく煮付けです。見た目も煮付け。味も濃いめ。煮汁も少ない。
豆腐は焼き豆腐かそれに準ずる固いものを薄めに切ったのをしっかり煮てありました。