商品名の「北海焼鮭」はつけもつけたり、いろいろ考えたんだろうな。いかにも日本人の日本人的心をくすぐるような、こんなところにもセブンイレブンの強さがあるんだろう。でも原料が「鮭ほぐし和え」はないだろう。これは「いけません」。実際になにが原料なんだ「責任者出てこい!」と昔の人生行路みたいなことが口から転び出る。
味わいからするとこの「鮭」はサケであるようだ。でも「銀毛」とか「目近(めじか)」とか言われる沖取りのサケなんだろうか? それとも秋に定置でとれたもんなんかい、「責任者説明せい」。どうしてこの曖昧な表示が許されるのかわからん。「鮭」というなら養殖の輸入ギンザケも「鮭」だろう。町の魚屋なら「サケとはですね」なんて答えもしようがコンビニの「私には責任ありません」というお姉ちゃんには答えようがないだろ。これは「武蔵野」という会社が悪いのか? セブン-イレブンが悪いのか? それとも今の制度が悪いのか? 「どっちやねん」と聞きたい気分である。
ちなみにこれが沖取りのサケであった場合、サケを三枚に卸して中国に送る。そこで丁寧に骨取り。この骨取りは大変だろうな。でも個人的にはこのように丁寧に身をこねくり回したサケは嫌いだ。それを最輸入、調味して「おむすび」に入れるわけだ。結局、科学的法律的なものをクリアするとなんでもいいという商品とも思える。
また国産の沖取り、沿岸のサケの多くはこのようにコンビニや外食産業で使われ、消費される。もしくは中国などに輸出されるのだ。そこでいろんな付加価値が加わる。例えば、「丘」と呼ばれる昔ながらの塩引き鮭もあるだろう。塩水につけられた熟成のないものもあるだろうし。いろいろ考えられるだろうが、やはりしっかりどんなもんが「おむすび」に入っているのかしっかり、しっかり、しっかり表示しろよ! セブン-イレブン、と言いたい。
「合成着色料、合成保存料は使用していません」の文字が泣いてしまうだろう。
そして最後に、この表示が曖昧な「おむすび」味は上々であったことを忘れずに記す。たぶん「丘」と言われる塩引きではなく、塩水につけたものが原料であろう。でもうまいな。
製造 武蔵野 埼玉県朝霞市
セブン-イレブン
http://www.sej.co.jp/index.html
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http://www.zukan-bouz.com/
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