このスリーエフ『トウカツフーズ』というメーカーの作ったお握り、裏麺の材料を見て「大丈夫なんだろうか? この表示で?」と目を疑った。なんと原材料名なのに「醤油焼鮭」なのである。これでは「輸入ものであるのか? 養殖ものなのか?」がまったくわからない。たぶん、この表示は合法的なものであって、大量消費するコンビニお握りの表示は行政などでも野放しなんだろう。
でもこのお握りの原材料が標準和名のサケであるのか輸入のギンザケであるのか、サーモントラウト(トラウト)であるのかは大変重要である。「鮭」とあるなら標準和名の我が国で古来から慣れ親しんだサケだろうと思うのは大きな間違いであって、「鮭」という概念は「サケ科サケ属」全般に広がっている。
とすると「鮭」という漢字表記はおかしい。この場合の正しい表記は【醤油焼鮭(標準和名)】とするべきである。セブンイレブンの「北海焼鮭」でも思ったことだが、コンビニ業界は養殖、天然、輸入、国産というとても大切なことにまったく無関心であるようだ。
この表示紙の右上に「安心素材」とあるが、ぜんぜん「安心表示」ではないことをはっきりしておきたい。
さて、食べてみるにやはりコンビニお握りの味わいは平均化してうまいのである。どうも原材料は標準和名のサケかもしれない。ボクなどそれほどサケ通ではないので食べただけでサケの種名が当てられない。やや脂の少ない「鮭」の身に醤油味がほんのり感じられる。なかなか工夫された味わいである。
このような工夫が25万トン前後も漁獲されている標準和名のサケがあるのに、それに比肩するほどの養殖サケを輸入することもなくなるだろうと思える。
スリーエフ
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トウカツフーズ 埼玉県川口市元郷4の5の1
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