2007年2月20日アーカイブ

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 高知県で“えがに”というのはトゲノコギリガザミのことである。このガザミ科のカニのなにがすごいかって言うと、素直に白状すると「うまい」ことである。しかも重さ3キロを超えるかもという巨大種で、「大きいから大味では」という予想を裏切るように、じわりじわりと強い旨味、それでいて甘味あっさりという繊細で上品な味わいなのだから恐れ入る。
 その“えがに”の旬がこの冬のとき。しかもなんといっても子持ちのメスがうまいのである。このうまさたるや、ボクの表現力では表しようがない。
 まさに「食べてみなければわかりません」というもの。

 さて、遠路はるばる我が家に到着した“えがに”をとったのは土佐のはちきん、永野昌枝さん。我がサイトでもお馴染みの永野廣さんの若き恋女房そのひと。その雄姿をこの日曜日の早朝に見たのである。それもテレビで、それもそれもボクの大好きな『遠くに行きたい』という日本テレビの番組において。
 詳しくは
http://www.to-ku.com/midokoro/thisweek.htm

 それで慌てて、永野さんにケータイ。昌枝さんの元気で可愛かったことなどを話すと、なんと昌枝さんから「見てくれてありがとう」とのお返しに“えがに”がとどいたのだ。別に期待したわけじゃない(?)けど、番組を見てうまそうでうまそうで困っていたのだ。だから今夜は“えがに”を食べて食べて食べまくって、遠く高知を思うのである。
 ちなみに東京では中目黒の『ぼうずこんにゃく』で“えがに”が味わえるかも。

市場魚貝類図鑑のトゲノコギリガザミへ
http://www.zukan-bouz.com/kani/gazami/nokogirigazami.html


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

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 築地には年間に20回近く行くのではないか? 主にその季節、そのときどきの魚の状況や値段をこの世界一の魚貝類の市場へ見に行くのが目的なのである。その折りに決して買ってこないのが鮮魚である。これは産地からかなりの量の鮮魚が到来する我が家の特殊事情もあるし、築地がけっしてお安くないということもある。

 じゃあ、なんにも買わないのか? というと必ず買ってくるのがマグロのパックである。これは当日卸したマグロの中落ちや切れっ端などを詰めたもの。だいたい1000円ほども出せば、“うまいマグロ”が手軽に味わえる。でも今までいちども手を出したことがないのが最底辺の500円パックである。
 これには間違いなく本ま(クロマグロ)は入っていない。当たり前だが入っているのはほとんどが冷凍のメバチマグロ。もしくは生のメバチの中落ちである。
 17日に買ったものでも「いいな」と思ったのが冷凍のメバチの2パック。あとは1000円、2000円、高いと1パック5000円なんてものもある。こうなると、高いものには大間のクロマグロが入っている可能性もあるだろう。そんなところが日本一のマグロどころ・築地のすごさなのだ。そんな築地でせこーく500円パックを2個買う。これだって築地の醍醐味のひとつだ。

 ひとつは鮮魚も扱っている『小島』のぶつ。もうひとつはマグロ専門店『高英』のもの。『小島』のはまったくの赤身だけ、片や少しだけ脂のあるところが混ざる。
 さて、これを食べ比べてみる。これが甲乙つけがたいものである。『高英』の脂のある部分はたしかに甘味があってうまいのである。これは1パック400グラム以上入っているだろうから、かなりの値打ちもの。じゃあ赤身だけの『小島』が落ちるかというを、これは赤身としてうまみのある上物なのだ。

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マグロ専門店『高英』で買ったもの。脂の部分が混ざっている

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鮮魚も扱う『小島』のもの。全部赤味だが、うまい。

 築地場内を歩いていて真っ先に気づくのは鮮魚を扱う仲卸と同じくらい、いやもっとマグロだけを扱う専門店の多いことだ。なんとこの狭苦しい場内にあるのは日本一、いや世界一のマグロたちである。当然、安いものでも築地は築地、とうぜん、他にはないうまいマグロが無数に転がっている。だから比較的一般人の入りやすい土曜日や、プロたちが引けた後の9時過ぎなんかの場内でマグロパックを探すのは賢い庶民のあり方なのである。
 明日は休日という土曜日など、お父さんの酒の肴、夕ご飯のお供に築地のマグロパックは安くてうまくて、満足度大。ちょっと贅沢して3パック買ってもなんと千の五百円でしかない。買い方のコツは全部違う店で買うこと、同じ店で買った方が安くなる可能性もありお得だが、食べ比べる楽しさがない。
「これは中落ちよ、こっちはブツ。こっちはマグロ専門店のだから、こっちは?」なんて、まさに誰にでも出来る食の冒険である。これぞ築地食育の最たるもの。楽しいぞ!

 さて、500円と限っても築地場内には買い迷うほど並んでいるのだ。そこに600円とか700円とか微妙な値段のもある。それから今回は“ぶつ”とか“切り落とし”を選んだのであるが、中落ち(三枚に卸した中骨についた肉)だけで比べるというのも面白そう。それなら冷凍ではなく“生”である可能性もあるし、安い本ま(クロマグロ)の可能性も秘めている。


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 このスリーエフ『トウカツフーズ』というメーカーの作ったお握り、裏麺の材料を見て「大丈夫なんだろうか? この表示で?」と目を疑った。なんと原材料名なのに「醤油焼鮭」なのである。これでは「輸入ものであるのか? 養殖ものなのか?」がまったくわからない。たぶん、この表示は合法的なものであって、大量消費するコンビニお握りの表示は行政などでも野放しなんだろう。

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 でもこのお握りの原材料が標準和名のサケであるのか輸入のギンザケであるのか、サーモントラウト(トラウト)であるのかは大変重要である。「鮭」とあるなら標準和名の我が国で古来から慣れ親しんだサケだろうと思うのは大きな間違いであって、「鮭」という概念は「サケ科サケ属」全般に広がっている。
 とすると「鮭」という漢字表記はおかしい。この場合の正しい表記は【醤油焼鮭(標準和名)】とするべきである。セブンイレブンの「北海焼鮭」でも思ったことだが、コンビニ業界は養殖、天然、輸入、国産というとても大切なことにまったく無関心であるようだ。
 この表示紙の右上に「安心素材」とあるが、ぜんぜん「安心表示」ではないことをはっきりしておきたい。

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 さて、食べてみるにやはりコンビニお握りの味わいは平均化してうまいのである。どうも原材料は標準和名のサケかもしれない。ボクなどそれほどサケ通ではないので食べただけでサケの種名が当てられない。やや脂の少ない「鮭」の身に醤油味がほんのり感じられる。なかなか工夫された味わいである。
 このような工夫が25万トン前後も漁獲されている標準和名のサケがあるのに、それに比肩するほどの養殖サケを輸入することもなくなるだろうと思える。


スリーエフ
http://www.three-f.co.jp/
トウカツフーズ 埼玉県川口市元郷4の5の1 


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