羅臼産「生たらこを煮る」

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 市場に「たらこ」が入荷してくるようになった。一般に「たらこ」と言われるのは「鱈」すなわちマダラではなくスケトウダラの子である。「たらこ」「もみじこ」「すけそ子」なんて呼ばれる。マダラの子も今が出盛りで、これも味がいいのであるが、じっくり食べてみると「やっぱ“すけそ”には勝てないな」と改めて思うのである。
「たらこ」一腹はウインナーソーセージをふたつ抱き合わせにしてくっつけたような状態になっている。では一昨日入荷した羅臼産一腹は何グラムだろう? これがだいたい60グラムくらいから80グラムくらいだ。

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 一キロあたり4500円なので一腹だいたい250円見当である。煮るのには3腹は欲しいので、なんと支払が800円あまり。惣菜というのには高すぎるな。これがマダラの子なら半値以下、調べてみると3分の1ほどなのだ。ということで毎年「たらこ」を煮るのは2,3回となる。

 羅臼産「たらこ」の樽状の発泡を前にして小さいのばかり選んでいる人がいる。
「なんでそんな小振りのばっかり選ぶの?」
 知り合いの居酒屋のオヤジなので聞いてみる。
「ウチはね切らないでまるのまま煮ちゃうんだ。切るとどうしても卵がばらけるだろ。嫌なんだよ」
「でも煮る時間が長くなるから硬くなるだろ」
「ドンマイドンマイ」
 そう言えば「ドンマイ」って何語だろ。
 我が家ではだいたい2等分にする。それを予め湯通ししないでそのまま煮立った汁にそっと入れるのだ。あとは短時間ささっと火が通るくらいに煮上げる。

 ついでに割烹料理やで修業した若い寿司職人に煮方を聞くと
「そうだな3等分するよ。そうするとまん丸くなって可愛いだろ」

 でも3等分して卵がばらけないのだろうか? やってみなければわからない。
 やっぱりある程度はばらけてしまう。でもこのまん丸の「煮たらこ」が好評なのだ。食卓にあった時間は3分たらず。ボンボンのような形も子供たちを惹きつけている。でもやっぱり難点は卵が少々ばらけること。でもそれよりも煮る時間がより節約できる。だからフワリと仕上がるのだ。

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 でも貧乏生活なのでばらけた卵がもったいない。
「父ちゃん大丈夫だよ」
 太郎の方を見ると煮汁をご飯にかけて食べている。これでいいのだ!

市場魚貝類図鑑のスケトウダラへ
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コメント(3)

どんまい=Don't mindです。気にしない!って感じの意味かな。

車がバックするときにオーライ、オーライって言うのと同じですかね。
All right
ちなみに私の場合、解れた卵は玉子でとじて、みつばをパラリ、山椒を振って、
二品目の完成です。

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ドンマイ……そうですね。laseetaさんと名無しさん、ありがとうございます。今日はマダラの卵を探したんですがダメでした。マダラの卵の醤油漬けというのがあり、田向商店のは宣伝するわけではありませんが、絶品です。
田向商店
http://www.tamukaisyoten.co.jp/

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このページは、管理人が2007年2月 9日 08:28に書いたブログ記事です。

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