霞ヶ浦への旅01

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 深夜2時過ぎに自宅を出る。中央首都高と渋滞はなく、当然、常磐道が混むことは皆無であって、あっという間に桜土浦まで来てしまう。そこからは国道125号をひたすら南に下る。暗く寂しい国道沿い、ときどきコンビニの灯りがあるほかは、なにも見えない。
 午前4時、クルマの左手から夜が明けてくる。阿見町、稲敷市江戸崎、美浦村、そして小野川を超えると稲敷市桜川村古渡となる。

 小野川は霞ヶ浦の西側、入り江を作り、平野部を流れ、つくば市に源流がある。(*霞ヶ浦の湖の形を説明すると、漫画「まことちゃん」のグワシというのをご存じだろうか? 中指と薬指を折り曲げる。これを左手でやっていただき、手のひら側を自分の方に向けてもらいたい。これがちょうど霞ヶ浦の形そのものだ。この親指の部分が小野川河口である。
 小野川の北側が稲敷市美浦村、南側が胴桜川村古渡にあたる。その昔には「かわはぎ」という地名であった桜川村、そこには大きな蔵がたち、水運が流通の主役であった頃には高瀬舟の荷の集積地であったという。
 小野川河口にかかる新古渡橋を渡り、川の土手道にクルマを止める。まだ日の昇らない薄明の頃、目の前には田植えを終えたばかりの田園が広がる。その田の畦をキジのオスがけたたましく失踪する。ボッ、ウ…ボッ、ウ…と鳴くのはウシガエルだし、ウグイス、センダイムシクイ? ぴーーぴーーと鳴く鳥。田の周り、土手には白いクローバー、真綿のようなフワフワした花を咲かせたイネ科の植物が続く。

 小野川土手を上手に歩いてみる。川には無数の竹が立っている。そこに霞ヶ浦で網代というのだろうか定置網がある。これは岸から見ると細長い柄の傘を広げたような形。傘の頂点、両翼に魚をためる地獄網がついている。その上流には淡水真珠の養殖場。

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 小野川から桜川村古渡の市街地を抜けて霞ヶ浦にクルマを走らせる。古渡の街並みは小さく、商店街と言っていいのかどうか? そこには魚屋、食料品店、和菓子屋などがある。
 岸辺の砂利道を小野川河口からぐるっと霞ヶ浦を南にクルマで回っていく。朝日は湖の上にある。こちらにも定置網があり、遠く大きな船が沖合に移動している。岸辺にはニセアカシアが満開である。

 ちょうど5時となって古渡にある川岸屋の前に到着する。この釣り船屋を経営する諸岡清志さんの定置網漁に同行させていただき、霞ヶ浦の魚貝類の一端に触れるのが今回の旅の目的である。

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このページは、管理人が2007年5月16日 14:05に書いたブログ記事です。

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